何を使って経理しよう。会計ソフト?Excel?それとも手書き?
事業をするにあたって、経理は切っても切れない間柄。否応なしにやらなければいけないのが経理です。
そんな経理で使うべき道具は何が良いか、についてお話しします。
フリーランス・個人事業主の経理 3つの選択肢
経理をするにあたって、まずは道具選びが必要です。つまり、「なにで」経理をするのか?
選択肢は次のとおり、3つあります。
- 会計ソフト
- Excel
- 手書き
さぁ、どれを使えば良いものやら…
ということで。それぞれの選択肢の特徴を、「3つの視点」から見ていきます。3つの視点とは、
- 節税効果
- 利用・導入コスト
- 効率性
その結果とおすすめ度は次のとおり ↓
会計ソフト | Excel | 手書き | |
節税効果 | ◎ | △ | △ |
利用・導入コスト | △ | 〇 | ◎ |
効率性 | ◎ | △ | × |
おすすめ度 | ★★★ | ★★ | ★ |
上表の結果を踏まえて、それぞれの選択肢について説明を加えます。
おすすめ度MAX!《会計ソフト》
- ◎ 節税効果
- △ 利用・導入コスト
- ◎ 効率性
「会計ソフトはムズカシイ」の嘘
どうせ経理をやるなら「会計ソフト」。これで間違いはありません(理由はのちほど)。
にもかかわらず。次のようなことから躊躇されてしまうことが多いのが会計ソフトです。
- どの会計ソフトを選べばいいの…?
- 会計ソフトなんてわたしに使えるの?
会計ソフト選びの詳細については機会をあらためますが、極論、どれでもそんなに変わりません。逆に言うと一長一短です。
いくつかの会計ソフトの無料体験版などをいじってみて、「なんとなく」気に入ったモノをまずは使ってみましょう。
デザインが好き、レイアウトが見やすい。イメージキャラクターが好き、そんなことでも良いと思います。
何事も「愛着を持てるかどうか」は長続きのポイント。ですよね?
まずはインスピレーションで選んでみて。使い慣れて、わかってくれば会計ソフト選びの視点も変わります。そのときにまた、ソフトを選びなおせばよいのです。
それよりなにより、会計ソフトを使って経理をすることが大事なんです。
それから。会計ソフトは経理の「素人・初心者」にも使えるのか?というと、使えます。じゅうぶんに使えます。
むしろ、手書きやExcelのほうが「素人・初心者」にはキビシイと言ってよいでしょう。
なぜなら会計ソフトは、「経理・簿記」などの知識や技術を意識せず、経理処理ができるような工夫がされているからです。
ラクする代償としてのコスト
誤解を恐れずに言えば。「経理・簿記」がわからなくても、なんとなくで経理処理できてしまう。できるようになる。それが会計ソフトのメリットのひとつです。
手書きやExcelとなると、なかなかそうもいかず。勘定科目はなんだっけ?どの帳簿のどこにナニを書くんだっけ?といった試行錯誤の場面が多くなります。
このあたりのサポートを会計ソフトがしてくれる、そういうイメージでいいでしょう。
また、修正や削除といった処理を手書きでやるのはメンドーです。連動する帳簿があれば、あちこち手作業で修正する…考えただけでもゾッとします。
Excelを使うにしても、算式やマクロが不十分であれば、やはり手作業は多くなります。
会計ソフトを使うには少々コストがかかりますが、経理処理をラクにするための「代償」だと考えれば決して高くはありません。
節税効果は見逃せない
会計ソフトで経理をすると、結果的に必要な帳簿類が「完備」されます。
ひとつの入力・処理によって、さまざまな会計帳簿を連動的に作成してくれる「効率性」もまた、会計ソフトのメリットです。
そのうえ。税法ではそんな「帳簿の完備」に対して、税金を安くするご褒美を用意しています。
イメージとしては、最高で65万円分の経費を上乗せできるというご褒美。経費と言っても、実際におカネは使いません。計算上での経費の上乗せ、これはデカいゼ!
ってことで、このご褒美は「青色申告特別控除」と呼ばれ、会計ソフトで経理をする動機にもなるでしょう。
具体的な、会計ソフトの選び方はこちらの記事を ↓
中途半端はやめておけ!《Excel》
- △ 節税効果
- 〇 利用・導入コスト
- △ 効率性
Excelの導入シーンは限られる
経理をExcelでやるのもいいかな、というのは次の場合に限られます。
- Excelがメッチャ得意!会計ソフト並みの作りこみができる
以上です。
であれば、会計ソフトをおすすめしたのと同様、Excelもおすすめすることができます。
「ワープロ+計算機」的なExcel経理はやめておけ
もちろん、そこまでできなくてもExcelで経理をすることは「可能」ではあります。可能では。
カンタンな算式を組んで使うだけでも、手書きよりはラクだろう。そう言われるのかもしれません。
そうです、それそれ。それが良くないのです。
経理で扱う帳簿というのは、「連動性」を伴います。こっちの帳簿に記録した内容をもとに、あっちの帳簿にもそっちの帳簿にも…ということが必要です。
「ワープロ+計算機」くらいの使い方しかできないと、連動させることまではできません。
そうであれば。Excelも結局、手間がかかるのです。手書きとそれほど変わりません。
このあたりの「連動性」は会計ソフトが非常に得意としているところでもあり。会計ソフトをおすすめする理由にもなります。
節税効果も不十分
それでもなんとか手入力で押し切ったとして。そのレベルでは、会計ソフト並みの節税効果を得ることはできません。
会計ソフトのところでお話しした「最大65万円」のご褒美にはあやかれず、「最大10万円」どまりのご褒美となっています。必要な帳簿を「完備」できないからです。
タイヘンな思いまでしたのにね、残念。
おカネのことで言うと。もともとExcelを所有していれば、経理における利用・導入コストはゼロだろう。というメリットを主張するのはどうでしょう?
会計ソフトの利用・導入コストは年間10,000円程度です。さきほどの会計ソフトによる節税効果を考えれば、なんだか残念な主張であることにも気づきます。
頼むからやめておけ!《手書き》
- △ 節税効果
- ◎ 利用・導入コスト
- × 効率性
もう何も言うことは無い
さいごに「手書き」経理について。
手書きでできないことはありません。それはExcelとおなじです。
でも、Excel以上にタイヘンです。手間と時間がかかります。もはやそれについては語る必要もないでしょう。
そんな手間と時間が大好きなの~♪という方を止めるつもりはありません。
けれども、もし。もしも「手書きはタダだから」なんて言われる方がいるのなら、全力で引き止めたい想いです。
あなたの手間と時間を考えたら。手書きなんてやるようなことじゃない。他にやることがあるだろう。頼むからやめておけ、と。
厳しい言い方にはなりますが、あえて言っておきます。
年間10,000円程度の会計ソフトを惜しむ事業であるのなら、それは事業とは言えません。
まとめ
フリーランス・個人事業主の経理道具えらびについてお話しをしてきました。
結論は、会計ソフトです。
どうせやるなら、長く使っていくなら、永く事業をしていくのなら。会計ソフトは必須です。
目先のメリットに気を取られ、判断を誤らないように注意しましょう。
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