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3月15日で終わりじゃない!フリーランスが確定申告の『その後』にやるべきこと

確定申告のその後にやるべきこと

” ふぅ… 確定申告終わったぁ! ”

と歓喜するあなたへ。フリーランスの確定申告は、3月15日までに申告書を提出しておしまい。というわけではありません。

忘れてはいけない、確定申告の「その後」にやるべきことについてお話をします。

目次

フリーランスが確定申告の「その後」にやるべきこと

毎年「3月15日」は、フリーランスにとって忌まわしき(?)確定申告の申告期限です。

悪戦苦闘の末に、ようやく申告書を税務署へ。歓喜のあまり小躍りする、というフリーランスも少なくないようで。

でも、ちょっと待った。フリーランスには、確定申告の「その後」にやるべきことがありますよ。というお話をしていきます。

その「やるべきこと」とは、こちらです ↓

  1. 事務的な後始末
  2. 住民税・事業税の金額をイメージ
  3. 健康保険料の金額をイメージ
  4. 小規模共済掛金などの金額を検討
  5. 銀行融資を検討

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

 

《やるべきこと①》事務的な後始末

税務署への申告が済んだなら、事務的な後始末も済ませてしまいましょう。「後始末」にはこんなものがあります ↓

  • 申告書の「控え」書類の保存
  • 総勘定元帳、仕訳帳の印刷・保存
  • 領収書など資料の整理・保存
  • 会計ソフトのデータ繰越
  • 青色申告承認申請書などの提出確認
 

上記について、順番に補足します。

申告書の「控え」書類の保存

税務署の提出をした申告書は、その「控え(コピー)」をきちんと保存しておきましょう。

ここで言う「控え」とは、税務署の受付印(電子申告であれば受信メール)がある「控え」、ということです。

受付印がない「控え」では、「収入の証明書類」としての役割を発揮できません。ローンを組む、保育園の手続きをするときなどに困りますので注意しましょう。

総勘定元帳、仕訳帳の印刷・保存

会計ソフトを使って帳簿づけ(経理)をしている場合には、「総勘定元帳」「仕訳帳」のデータをエクスポートして保存しておきましょう。

厳密には、「紙で見れる」状態での保存が義務付けられていますので、税務調査などの際には印刷をしなければいけません。保存期間は7年です。

会計データは「壊れる・見れなくなる」という可能性もありますから、汎用性のあるPDFやCSV形式でエクスポートしておくことをおすすめします。

領収書など資料の整理・保存

領収書・レシート・請求書などの書類も保存が義務付けられています。書類の種類によって保存期間が異なりますが、いちばん長い「7年」に統一しておけば迷うことがありません。

書類の整理度合いは人によりけりではありますが、少なくとも、異なる「年」の書類がごちゃまぜになるような状況は避けましょう。書類は事業年度(毎年)ごとに分けて保存です。

ちなみに、保存期間は確定申告期限からカウントします。たとえば、2017年分の確定申告期限は2018年3月15日。そこから7年ですから、2025年3月15日まで保存することになります。

会計ソフトのデータ繰越

会計ソフトを使って帳簿づけ(経理)をしている場合には、「データの繰越」をしましょう。会計ソフトのデータは、1年ごとに管理する仕様になっています。

経理・申告が済んだ年のデータを、翌年のデータに繰り越すという作業(会計ソフトによって「呼び方」は異なります)を忘れずに。

これを忘れると、前年分の会計データに、今年の会計データまで入力してしまうという「惨事」が起こりえます…

青色申告承認申請書などの提出確認

このたびの申告を振り返り、あらためて税務署に提出が必要な「届出書」などがないかを確認しておきましょう。

たとえば、白色から青色に変えたいのであれば「青色申告承認申請書」。青色申告をしようとする年の3月15日までに、税務署に提出しなければいけません。

ほかにも、青色事業専従者給与に関する届出書、棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書など。状況に応じて、提出を検討です。

 

《やるべきこと②》住民税・事業税の金額をイメージ

フリーランスの税金は、確定申告による所得税額だけではありません。確定申告に連動して生じる他の税金についても押さえておきましょう。

住民税

住民税の金額は、「前年分」の確定申告を受けて、毎年6月から変更になります(年間の住民税額を4回の分割払い)。

たとえば、2017年分の確定申告を2018年3月にすると。その申告内容に応じて、2018年6月ごろ、役所から住民税の通知書・納付書が届きます。

確定申告から数ヶ月、忘れたころに届きますので、前年よりも収入や利益が増えているようなケースは要注意です。突然の税額アップに驚くフリーランスは少なくありません。

あわてなくて済むように、あらかじめ納税額を試算してイメージしておくのがおすすめです。試算の方法としては、

  • 確定申告書・様式Bの「26. 課税される所得金額 」欄の金額 × 10%(住民税は一律10%)=年間の住民税額
    ※ 「26. 課税される所得金額 」欄に金額がない、ふるさと納税をしている場合など、実際の住民税額とはだいぶ異なるケースもあります
  • 各市区町村の住民税試算サイトを利用する

個人事業税

住民税と同様に、忘れたころに通知書・納付書が届きます。納税時期は8月と11月です。

個人事業税は、課税されない業種(文筆業など)があること、一定の利益までは課税されないこと、といった特徴があります。

したがって、自分の業種は個人事業税がかかるのか、かかるのであればどのくらいの税額になるのか、という2段階での確認が必要です。

くわしくはこちらの記事をどうぞ ↓

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所得税の予定納税

所得税は3月15日(口座引落の振替納税は4月中旬)に納税をしておしまい、ではありません。

7月と11月には「予定納税」があります。予定納税は、所得税の「前払い」として、前年分の税額に応じて支払わなければいけません。

予定納税金額(7月と11月それぞれに納める金額)のざっくりとしたイメージは ↓

確定申告書・様式B「45. 所得税及び復興特別所得税の申告納税額」÷ 3
※ 雑所得がたくさんある場合など、実際の予定納税額とはだいぶ異なるケースもあります

なお、「45. 所得税及び復興特別所得税の申告納税額」が少ない場合(目安として15万円以下)には予定納税がありません。

ちなみに。予定納税がある場合には、納税時期か近づくとお知らせが届きます。ない場合にはお知らせはありません。

 

《やるべきこと③》健康保険料の金額をイメージ

《やるべきこと②》では、税金についてイメージしましたが、社会保険料についてもイメージが必要です。

社会保険料のうち、国民年金保険料は「定額」ですが、健康保険料は「所得(≒利益)」によって異なります。所得が大きければ健康保険料は多くなり、所得が小さければ健康保険料は少なくなります。

健康保険料もまた、忘れたころにやってきますので金額をイメージしておくと安心です。

具体的な金額については、国民年金保険料であれば各市区町村の試算サイトを利用する。健康保険組合に加入しているのであれば、組合のWEBサイトを確認するなどしてみましょう。

 

《やるべきこと④》小規模共済掛金などの金額を検討

フリーランスの節税手法のひとつに、小規模企業共済の活用が挙げられます。小規模企業共済は、フリーランスの「退職金準備制度」。

仕事をやめるときに備えて、退職金を毎月積み立てることができるのですが、その積立額(掛け金)で節税ができる。銀行にはいくら積み立てても節税はできませんから、小規模企業共済はオトクです。

この小規模企業共済の積立額は、月 70,000円を上限に変更ができます。したがって、確定申告の状況を見ながら、積立額を検討するようにしましょう。

できるだけ多くの金額を積み立てたいところですが、「入り用で解約をしなければいけない」という事態が起きないような金額設定が必要です。

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また、フリーランスの「上乗せ年金制度」として、国民年金基金や確定拠出年金(iDeCo)があります。

会社員と比べると、どうしても年金が心細いのがフリーランス。ベースである国民年金への上乗せとして、国民年金基金や確定拠出年金(iDeCo)にも加入をしたいところです。

これら「上乗せ年金制度」に加入をした場合に支払う保険料(掛け金)についても、小規模企業共済と同じく節税効果があります。

保険料は、上限金額 月68,000円(国民年金基金や確定拠出年金あわせて)の範囲内で変更できます。確定申告の状況を見ながら、保険料の金額を検討するようにしましょう。

将来を見据えて、できるだけ多くの金額を積み立てたいところですが、入り用があっても途中解約はできません。保険料の掛け過ぎには注意です。

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もうひとつ、「ふるさと納税」に興味があるならば、その金額についても検討をしておくとよいでしょう。

ちなみに、ふるさと納税とは、「所得税・住民税を納める代わりに、好きな地方公共団体に寄付をする」制度です。

したがって、基本的には、手元から出ていくおカネは変わりません。所得税・住民税として支払うか、寄付金を支払うか、です。

では、なにがオトクなのかというと、もらうことができる「返礼品」です。出ていくおカネは変わらないけれど、返礼品分だけオトクだよね、ということ。

ただし、ふるさと納税の金額が「一定額」を超えてしまうと、出ていくおカネが多くなってしまうしくみである点には注意が必要です。この「一定額」は収入・所得によって異なります。

確定申告の状況を参考に、自分の「一定額」がいくらなのかを確認してから、ふるさと納税をするようにしましょう。

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《やるべきこと⑤》銀行融資を検討

確定申告が終わったら、銀行からの融資を受けるか否かを検討しましょう。

なぜなら、銀行融資の審査では「確定申告書・決算書」の内容が重視されるからです。

良い決算(利益がじゅうぶんに出ている)であれば、一般に融資は受けやすくなります。したがって、決算が良いときほど銀行融資の好機です。

にもかかわらず。これを逃しておいて、決算が悪くなってから「やっぱりおカネを借りたい」では、融資がうまくいかないのは当然です。

融資を受けるか否かは、「いま、融資が必要かどうか」ではなく、「いつか、融資が必要かどうか」で判断しましょう。

「いつか、借りるかもしれない」と考えるのであれば、「借りられるときに借りておく」べきです。繰り返しになりますが、借りられるのは「決算が良いとき」です。

銀行融資はおカネに困ってから、というのは大きな誤解です。おカネに困ってから貸してくれる銀行はありません(一部の制度融資などを除く)。

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まとめ

フリーランスが確定申告書を提出した「その後」にやるべきことについてお話をしてきました。

開放感に安堵せず、やるべきことを忘れずに。きびしいことを言うようですが、すでに「次」は始まっています。

  1. 事務的な後始末
  2. 住民税・事業税の金額をイメージ
  3. 健康保険料の金額をイメージ
  4. 小規模共済掛金などの金額を検討
  5. 銀行融資を検討

 

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  きょうの執筆後記
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