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眼の前にある人命の危機に、誰にだってできること 横浜市・普通救命講習

普通救命講習修了証

先日、横浜市消防局がおこなっている「普通救命講習1」という講習を受講してきました。
人命の危機が迫る現場に居合わせたとき、「一般市民にだってできること」が身につきます。

目次

誰にでも可能性がある「だいじな人の危機」

あたりまえの話として、いつ、どこで、突然のけがや病気におそわれるかはわかりません。
中でも最も重篤かつ緊急を要するのが「心臓や呼吸が止まっている」こと。

もしも、眼の前のだいじな人の心臓や呼吸が、突然止まってしまうようなことになってしまったら?
誰だって助けたいと思うはずですよね。

救急車の到着平均時間は約8分。
ただ待つだけでは命を失う可能性は限りなく高くなります。

そんな救えるかもしれなかった命を失うことがないように、そばに居合わせた人ができる応急手当「救命措置」。
だれもが学び、身に着けておきたいことといえます。

それでも、ただ救急車を待ちますか?

急性心筋梗塞、脳卒中などは何の前触れもなく起き、心臓と呼吸が突然止まってしまうことがあります。
また、プールでおぼれたり、のどに食べ物を詰まらせたり、あるいはケガで大出血したときも、心臓・呼吸の停止は起こります。

こんなデータがあるそうです。

救急車が来るまで何もしなかった場合、

心臓と呼吸が止まってからの経過時間3分8分10分
命が助かる可能性(約)25%10%5%

救急車到着までの平均時間は約8分。助かる可能性は10%を切ります。
だいじな人の命を「救急車だけ」にゆだねるには、「容認しかねる可能性」といわざるをえません。

では、居合わせた人が救命措置をした場合はどうか。

心臓と呼吸が止まってからの経過時間3分8分10分
命が助かる可能性(約)50%25%20%

3分以内に救命措置を始めた場合、半分以上の確率で命を救えるかもしれないということです。
それでも、「ただ救急車を待つ」という選択をしたいですか?
したくありませんよね。

ですが、どれだけしたくなくても救命措置を知らなければ、「ただ救急車を待つ」ことを選択するしかなくなります。

救命措置を身に着けるなら訓練を重ねよう

命を落としたり、のちに後遺症を残さないために、救命措置はまさに「1分1秒」を争うものです。

実際、「事が起きたとき」は大パニックでしょう。
そのときに1秒でもムダを少なく動くために、救命措置を学び、身に着ける訓練を重ねておく必要があります。
その手段として、行政が行う「救命講習」があります。

たとえば横浜市では、WEBで講習の案内・予約ができるようになっています(2016年5月19日現在)

講習には、内容に応じていくつかの種類にわかれています。
短いものは90分、長いものは3日間の講習があります。
受講料は1,000円から8,000円までの幅があります。
自分が今回受講した「普通救命講習1」は3時間・1,000円。
平日のほかにも土日を含めて、年間を通じてかなりの回数で開催されています。
多くの人が受講しやすい環境の講習といえるのではないでしょうか。
日程が迫ると、満席の回が増えているようです。
今回の参加人数は15人ほどで老若男女でした。

救命講習でできるようになること

受講した「横浜市の普通救命講習1」で、心臓・呼吸の停止に対して、自分でできるようになることは3つ。
どれも耳にしたことはあるものだと思います。

1.胸骨圧迫(心臓マッサージ)
2.人工呼吸
3.AEDによる電気ショック

「どのようにやるのか?」はぜひ講習で聞いていただくとして、「どうして必要なのか?」についてをお話しします。

1.胸骨圧迫(心臓マッサージ)
一番の目的は「心臓を再び動かすこと」ではなく「ポンプ機能の補助」です。
何らかのショックで心臓のポンプ機能が停止してしまうと血流が止まり、脳をはじめ、全身の臓器が大きなダメージを負うことになります。
心臓のポンプ機能を補助するために、胸骨への圧迫と解除を繰り返します。

2.人工呼吸
止まっている呼吸に対し、空気(酸素)を送り込むためではありません。
目的は、肺に刺激を加え、自発的な呼吸を回復させることにあります。
ちなみに、傷病者の顔面出血がひどい場合や、その他直接の接触がためらわれる場合にはしなくてもよいそうです。
とにかく一番大事なのは「胸骨圧迫(心臓マッサージ)」とのこと。

3.AEDによる電気ショック
心臓が突然止まると、心臓にふるえ(細動)が生じていることがあります。
ふるえがあると、心臓はうまく血液を送り出すことができません。
そのふるえを取り除く(除細動)ためには電気ショックが必要になります。
電気ショックを行うための機器がAED(自動体外式除細動器)です。

3時間の講習では、講義と実技とがあります。
上記の3つは、現場を想定して、全員順番に実技を行います。
実技中、講師からは個別に細かな指示が飛び、けっこうハードに指導されます・・・(基本は優しいです)

一番大事な胸骨圧迫は人工呼吸とセットで、救急車が到着するであろう7分から8分の間繰り返すことになります。
汗をかき、息を切らすほどに「命を救う術」の重みを感じるものでした。

補足ですが、普通救命講習1では、「成人」に対する心肺蘇生とAEDの使用方法を主にしています。
上記3つのほかに、止血や気道の異物除去について学びます。
また、他の講習内容である「小児、乳幼児」の救命についても、さわりの部分を教わることができました。

さいごに

かくいう自分も、はじめから救命救急に強い関心があったわけではありません。
前職の職場で、全社防災訓練の一環として講義を受けたことがきっかけでした。
いまにして思えば、とてもありがたいことですね。

しかし、時間がたつと忘れます。自信がなくなります。
救命は非日常のことですから当然です。
命の危機を目の当たりにする際のプレッシャーは想像を超えるものでしょう。
プレッシャーに負けて行動ができないことを避けるには、いちど学んだことでもフォローが必要
今回はそう思っての受講でした。

「だいじな人」の命を救えるか、ということでこの話をはじめました。
ですが、救急現場に居合わせることになれば、そこにだいじもなにもありません。
だれの命であろうと、たまたま居合わせた者としてなにができるかです。
そのとき迷うことなく現場に飛び込んでいく、それが救命措置を知る者の心持ちだと考えています。

そんな自分になれるだろうか?を考えながら、こんな言葉を思い出しました。

人が人を助ける理由に・・・論理的な思考は存在しねーだろ?

引用元 名探偵コナン / 青山剛昌

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  きょうの執筆後記
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講習には妻と一緒に参加しました。
救急現場に居合わせたとき、「動ける人」が多いに越したことはありません。
そばに居ることが多い家族に「動ける人」が居ることは安心と勇気になります。

普通救命講習修了証

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