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こんな会社は要注意!税理士が考えるアブない会社の見わけ方

アブない

ビジネスパーソンには考えることがあります、「この会社だいじょうぶかな?」

そんなとき必要な、「要注意とみるべきアブない会社の見わけ方とは」を考えます。

目次

アブない会社の外ヅラと内ヅラ

仕事をしていると「アブない会社」を見極める目も必要です。

なにをもって「アブない」と言うのかはありますが、「勤め先として」「得意先として」などアブないトラブルに巻き込まれるのは御免こうむりたいもの。

わたしが税理士として、クライアントに限らず、多くの会社とかかわりを持つ中で感じた「これはアブない」についてお話しします。

とくに業種業態は関係なく、ある程度普遍的と言って差し支えないでしょう。

これはアブない、6つのサイン

さっそく、アブない会社の「これはアブない」を列挙します。会社の「外面的なこと」「内面的なこと」という2つの要素にわけてみます。

外面的なこと

  1.  玄関やトイレがよごれている
  2.  受付やお金周りが乱れている
  3.  掲示物を管理していない

内面的なこと

  1.  利益より税金の話を先にする
  2.  業者に対するアタリがキツイ
  3.  いわゆる恐怖政治的なフンイキがある

それでは、くわしく見ていきましょう。

外ヅラにみる3つのサイン

まずは、表面的に見える部分での「アブない」サインについて。表面的、つまり「外ヅラ」です。

わりと一般的に言われていることでもあり、「ん~?これはどうなの?」と気づかれた経験もあるところかと思います。

なぜアブないのか、ということであらためて確認してみてください。

1.玄関やトイレがよごれている

お客さまや従業員が出入りする玄関は「会社の顔」。と誰もが知っているのによごれている玄関は「アブない」サインのひとつ。

「誰もが知っている」ことができないのは、「わかっていない」のか、「わかっていてもあえてやらないという心持ち」なのかです。

もちろん後者のほうが重症です。こういう会社では、誰でも気が付くようなゴミが廊下に落ちていても誰も拾いません。

玄関よりも難易度が高いのがトイレです。なぜ難しいのか?トイレ自体が「キホン的にきたないモノ」だからです。

それでも、おウチのトイレが耐えがたいほどによごれていることはないでしょう。自分のモノだからですね。

他人やみんなのモノだと耐えがたいほどによごす、よごれていても気にしないのは「心持ち」に問題アリ。

そういう会社がすすめる商品・サービスはだいじょうぶ?そう思われてもしかたありません。

2.受付やお金周りが乱れている

お客さまの目に触れる受付やレジ(お金)周りなどが乱雑なのも「アブない」サイン。

問題のひとつは、そこに「お客さま視点がない」こと。もうひとつは、「ものの重要度がわかっていない」ことです。

お客さまの視線に入るような受付やレジが乱れていれば、お客さまに不安や不快を与えることは言うまでもありません。

にもかかわらず、「自分たちに不都合がない」からそんなお客さまの気持ちには気が付かない、そういう会社です。

もちろん、「不都合がない」わけがありません。これが「重要度がわかっていない」ということ。

受付やレジ周りというのは、重要な情報やお金が集まっています。会社の中でも「重要度」が高い場所なのです。

個人情報が容易に目につくような受付、お金がハダカで置いてあるレジ周りは「不都合」だと気づきましょう。

3.掲示物を管理していない

飲食店、小売店、医療機関など、お客さま向けの掲示物が貼られている場合の話です。

剥がれかかった掲示物、斜めに貼られた掲示物、掲示すべき期間が過ぎた掲示物・・・お客さま向けとは思えない掲示物。

さきほどの受付・レジの話と同じく、「お客さま視点」に欠けています。

注文した食事が運ばれてくるのを待つお客さまの気持ちになってテーブルについてみる。診察を待つ患者の気持ちになって待合室の椅子に腰かけてみる。

そういうことができる会社は、掲示物がしっかり管理されているものです。「お客さまにとっての掲示物」がなにかをわかっているからです。

もちろん、その姿勢が掲示物に限らず、会社の商品・サービスにも表れます。

内ヅラにみる3つのサイン

続いて、会社の内面的な部分に見える「アブない」サイン。内ヅラですので、ちょっと突っ込んだ関係でないとわからないかもしれませんが。

税理士として関わってきた中で感じたことです。

1.利益より税金の話を先にする

これは経営者や経理担当者と、税理士との「数字」に関する会話において。「とにかく税金(を安く)」という話が先にくる、というのはちょっとアブないです。

節税したいという気持ちはもちろんわかります。けれでも、利益の話をさておいて、まずは「税金を払わなくて済むように」というような話はいけません。

会社にとって、成長の源が「利益」です。「税金」はその「利益」の結果でしかありません。「税金がない」ということはキホン的に、成長の源が無いことと同義。

こういう会社は、利益が出ると「税金を払うくらいなら」とお金を使いたがります。その気持ちもわからないわけではありません。

ですが、目先の税金にこだわりすぎて、将来の成長の源を軽んじる。それはやはり「アブない」考え方です。

2.業者に対するアタリがキツイ

お客さま以外の外部者、いわゆる「業者」などに対するアタリがキツイ会社は「アブない」サイン。

わたしなど税理士も、お客さまではないという意味では「業者」にあたります。

クライアントかどうかにかかわらず、会社に電話をする、受付を訪ねた際に「邪険に扱われる」経験が少なくはありません。

「不審そうな眼で見られる」「怪訝そうな声で応じられる」のは、まずイヤなものです(そもそも、わたしが不審そうだからではないとして)。

そのような「入口の対応」だけでなく、取引の過程においても「常に厳しくあたる」「ムリを強いる」ような会社もあります。

経験則として。お客さまに限らず、関係者をだいじにする会社は、同じように関係者からだいじにされます。いろいろな協力を受けられます。当然です。

業者だからといってキツクあたっていると損をします。見えていないかもしれませんが見えない損をしている、そういうものです。

直接お金をいただけるお客さまだけに「良い接遇」、というのでは会社の地力は上がりません。

それに。いまは「業者」といえども、いつなんどき、お客さまの立場になるかわかりません。そのあたりがわからない会社はアブない。

3.いわゆる恐怖政治的なフンイキがある

恐怖政治だなんておだやかではありませんが、そういうフンイキがする会社があります。

会計監査をしていても隣の部屋からしょっちゅう「怒鳴り声」が聞こえる。厳罰処分についてよく話題にのぼる会社など。

そういう会社はほぼ間違いなく、労使トラブルが多く、離職率が高い。そういう意味でアブないです。

「おこる、しかる」をマネジメントの「常套手段」としている会社は、ほかのマネジメントのしかたが苦手です。たとえば「ほめる」とか。

「おこられるからやる」という風潮の会社では人が育ちません。自発的な思いでやろうとさせるマネジメントがない会社に人は居つかないものです。

おこってはいけない、というのではありません。基本姿勢とバランスの問題です。

外を見て、内も見よ

アブない会社のサインについてみてきました。

1つあてはまるからといって、いますぐどうなるわけでもありません。ですが、「アブない」ことにかわりはありません。

あてはまるサインについては、どうして「アブない」のかをあらためて考えてみましょう。

外ヅラのサインについては、ポイントは「お客さま視点」。目を会社の外側に向けましょう。

一方で、内ヅラのサインについてのポイントは「自分自身、会社自身」。目を会社の内側に向けてみましょう。

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  きょうの執筆後記
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昨日は午前中にお客さまの月次監査。午後は6月決算法人のお客さまの決算作業を所内で。
夕方は雨の合間をぬって5kmのランニング。
雨が降りそうな場合、雨雲の状況をアプリで確認します。
あと1時間くらいはだいじょうぶそうだ、みたいな。雨男はタイヘンです。

アブない

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