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《目的別》商品券を買った場合の経費計上・経理処理まとめ

商品券

仕事を紹介してくれたお礼に商品券を渡そう。これって経費だよね?

もちろん、経費です。接待交際費ですね。

その他、商品券を買った場合の経費計上・経理処理について、「目的別」にお話をします。

目次

あなたが商品券を買う目的はなあに?

商品券を買う、とひと口に言っても。目的はさまざまでしょう。

次のように、商品券購入の目的を分けてみました。それぞれの目的別に、「経費か否か」「経理処理」について、このあとお話をしていきます。

  • 仕事上のお礼として他人に渡す
  • プライベート上のお礼として他人に渡す
  • 永年勤続・表彰として社員に渡す
  • 自分でつかう(仕事に関係なく)
  • 悪いことにつかう【やっちゃダメなやつ】

以上、ぜんぶで5つ。4つめあたりから「雲行き」がアヤしくなってきますので。良識をもってご覧いただくよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

仕事上のお礼として他人に渡す

経費の判定 → 〇

お客さまを紹介してもらったから、など。仕事に関することを理由に、「ちょっとお礼をしようかな」というときに商品券を渡そうというのなら。

その商品券購入のための支払いは、「接待交際費」として経費になります。

商品券を渡す相手が、仕事の関係者はもちろん、たとえ友人でも、「仕事に関することを理由」にしたお礼であれば経費です。

【応用】商品券を買うのが「法人」の場合
お礼をするのでも、情報提供等を業としている者へのお礼や、あらかじめ締結された契約に基づいたお礼である場合などには。接待交際費(全額損金ではない)ではなく、販売手数料などとして「全額損金」とする取り扱いがあります。

経理処理の注意点

次の4点を、しっかり記録に残しておきましょう。

  • 渡した日付
  • 渡した相手の氏名・関係性
  • 渡した理由
  • 渡した商品券の金額

メンドーだなぁ、と思われるかもしれませんが。絶対に記録してください。

なぜなら、商品券の購入は「税務調査官の関心事」のひとつだからです。

このあとの項目でお話ししますが、調査官は「ほんとうに渡したの?実は自分で使ったんじゃないの?」という眼を持っています。

悪意はありません。それが調査官には必要な眼であるのですから当然のこと。疑われるのはしかたのないことです。

いざ税務調査というときになんの記録もなく。「たしか、得意先の○○さんに渡したような・・・」なんて言っているようでは、我が身を守るのに苦労します。

商品券を経費にするのであれば、そのあたりの手を抜かないように。というお話でした。

 

プライベート上のお礼として他人に渡す

経費の判定 → ×

もう言わずもがな、というカンジですが。

日頃お世話になってるアノ人に、というお礼であっても。アノ人が、仕事とは関係が無い「プライベート上のお世話」であれば。さすがに経費にはなりません。

ところで。プライベートでもお世話になっているし、仕事でもお世話になっているアノ人へのお礼は?

実際に「仕事でもお世話になっている」というのであれば、仕事関係(つまり経費)ということで良いでしょう。

とはいえ、このあたりを無理矢理こじつけることはしないように。とくに、金額が大きい、頻度が高い場合には注意です。調査官の追及が強まります。

金額が大きい、頻度が高い、ということには相応の理由があるはず。たとえば、何件のお客さまを紹介してくれたのか、など。理由を示せ、ということになります。

お礼の理由と、金額・頻度のバランスには気をつけましょう。やり過ぎはいけません。

 

永年勤続・表彰として社員に渡す

経費の判定 → 〇(ただし給与)

永年勤続や創立記念、表彰制度の賞品、などとして商品券を渡す場合。

経費に「は」なります。が、大きな注意点がひとつあります。

それは、渡した商品券の金額が「給与」になるということです。

換金性が高い商品券は、おカネといっしょ。おカネを渡したら給与だよね。そういう考え方です。

給与になるということは、所得税の源泉徴収の対象になるということ。年末調整の際には、渡した商品券の金額を「給与」として集計することを忘れないように。

【応用】創業記念品や永年勤続表彰記念品を「給与」にしないために
せっかくの記念品、賞品なのに給与課税なんてかわいそうだ。というのなら、給与にしないための要件を満たすことを考えましょう。その要件は、国税庁のWEBサイトで確認できます。

経理処理の注意点

さきほどの「仕事上のお礼として他人に渡す」と同じです。しっかり記録に残しておきましょう。

  • 渡した日付
  • 渡した従業員の氏名
  • 渡した理由
  • 渡した商品券の金額

 

自分でつかう(仕事に関係なく)

経費の判定 → ×

もうこんなの書くまでもないだろ、ということではありますが。商品券を購入するすべての目的を網羅するために書いております。

商品券に限りませんが、仕事に関係がないものを経費にしようとしてはいけません。

良心の神様はきっと見ておられます。以上。

 

悪いことにつかう【やっちゃダメなやつ】

経費の判定 → ×(絶対にダメ)

もっと書くまでもない、むしろ書かなければいいだろ!とクレームになりそうなものですが。やはり、目的を網羅するために書きます。

もちろん。こんな悪事が世の中から無くなりますように、との思いも込めて。

ここで言う「悪いこと」とは、「換金」です。商品券を換金目的で買う、ということです。

商品券を買った際の領収書を経費で落とす。商品券は金券ショップなどで換金する。おカネは懐に入れる。たいへんメジャーな脱税手法です。

もっとワルになると、換金したおカネで買い物をして。その買い物の領収書も経費に落とそうとします。ヒドい、ヒド過ぎる。

そんなカラクリは税務署は百も承知なわけで。税務調査で商品券の領収書を見つけると、「いつ?だれに?なんのために?」とはじまってしまうのです。

だから、記録はちゃんとつけておこうって言ったじゃない。というハナシです。

ところで、悪事をアバくという点で言うならば。税務調査官は、商品券購入の記録から「売上除外、売上計上漏れ」も探しています。

仕事を紹介してもらったお礼であれば、その仕事の売上が計上されているかを確認するわけです。お礼の額が大きいほど、売上も大きいはず。

お礼という経費だけを計上して、相対する売上の未計上というのでは許さんぞ!ということですね。

故意による「売上除外」はもちろんいけませんが、うっかりミスによる「売上計上漏れ」には注意しましょう。

 

《補足》渡してはじめて経費

厳密にいうならば。商品券を渡して経費になるタイミングは、「相手に渡したとき」です。商品券を購入したときではありません。

とはいえ、そんなに長い間、相手に渡さず「保管」をしていることも多くはないでしょう。

基本的には、買ったときに経費計上することで問題ありません。ただ、決算のときだけは気を付けてください。

たとえば、平成29年3月決算の会社で。3月31日に商品券を買いました。4月1日になってから渡しました、という場合。

平成29年3月の決算では、この商品券の購入代金は経費になりません。実際に渡した4月1日を含む、平成30年3月決算での経費です。

このとき、平成29年3月の決算では「貯蔵品(在庫)」として処理することになります。

平成29年3月の経費にしていても、金額が少ない場合には「おとがめ無し」ということもあるかもしれませんが。「ただしい処理」については覚えておくとよでしょう。

 

まとめ

商品券を買った場合の経費計上・経理処理について、「目的別」にお話をしてきました。

いちばんのポイントは、経費にするのであれば「記録」をしっかり残すこと。ここに尽きます。

あとでやろう、というのでは忘れてしまいますので。その都度、記録を残すよう心がけましょう。

 

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  きょうの執筆後記
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