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どれにする?確定申告書の3つの提出方法・4つの納税方法

確定申告書の提出方法・納税方法

確定申告書は税務署に直接持っていったほうがイイの? 郵送のほうがイイの?

提出方法なら、電子申告もありますよ。そのいずれにも、メリットやデメリット、注意点などがあります。また、納税方法もいろいろです。

というわけで。フリーランス・個人事業主の確定申告書の「提出方法・納税方法」についてお話しします。

目次

確定申告書は「提出方法」が3つ、「納税方法」が4つです

フリーランス・個人事業主は、毎年3月15日(土日の場合には明けの月曜日)を期限に、所得税の確定申告をしなければいけません。

確定申告にあたっては、確定申告書の「提出」、そして「納税」があります。

その提出と納税には、それぞれ選択肢が用意されています。次のとおりです ↓

【 提出 方法 】

  1. 税務署に持参して提出する
  2. 郵送する
  3. 電子申告する

【 納税 方法 】

  1. 現金で納付する
  2. 口座振替にする
  3. 電子納税する
  4. クレジットカードで支払う

 おまけ・コンビニ納付

提出方法が3つ、納税方法が4つ(おまけ含めて5つ)。これだけあると意外と知らないものがあったり、どれがイイのかわからなかったり・・・

ということで。これらそれぞれのメリット・デメリットや注意点などをまとめていきます。

 

確定申告書の3つの提出方法

フリーランス・個人事業主が提出する確定申告書の提出方法は3つです。

  1. 税務署に持参して提出する
  2. 郵送する
  3. 電子申告する

《提出方法①》税務署に持参して提出する

申告期限の3月15日までに、税務署の窓口へ紙の申告書を持参して提出する方法です。

出向くための時間はかかりますが、もっとも手軽(準備が要らないという意味で)で確実な方法と言えるでしょう。

ちなみに、確定申告書を提出する税務署は、基本的に住所地を所轄する税務署です。あるいは、選択(要届出)により事業所の住所地を所轄する税務署になります。

メリット

  • 確実に提出できる(不備があれば指摘されるので対応しやすい)
  • わからないことがあれば相談もできる

デメリット

  • 税務署の開庁時間内に出向かなければいけない(時間外収受箱に提出する方法もあるが、その場で「控え」がもらえない)
  • 申告期限前などは、メチャメチャに混んでいることがある
「期限ギリギリに提出するのが良い」という都市伝説
提出期限ギリギリに税務署に行くとたいへんな混雑であり、申告内容のチェックが甘くなるので良いのだ。という話をけっこう耳にします。
残念ながらそれはちょっと違います。受付時のチェックは「最低限のチェック」です。押印漏れが無いかとか、必要書類は添付されていそうかなど、その程度です。
申告書の中身の細かなチェックは、あとから時間をかけてきちんと行われるのです。申告書はしっかりつくらなければいけないし、余裕をもって提出するのが一番です

《提出方法②》郵送する

所轄税務署あてに定形外郵便などの郵送で、紙の確定申告書を提出する方法です。

注意点は、提出期限です。結論から言うと、3月15日までの消印が必要になります。ポスト投函をする際には要注意。3月15日中に投函すればOKというわけではありません。

投函した時刻と、ポストの集荷スケジュールによっては、翌日扱いとなってしまいますので。そのような意味でも、確実に受付を確認できるよう、簡易書留などで郵送することがおすすめです。

また、自分の「控え」を受け取るため、「控え書類+返信用封筒(切手貼付、自分宛ての宛名記載済み)」を同封することをお忘れなく。

確定申告書の控えは、フリーランス・個人事業者にとって収入証明や在職証明として必要な場面がありえます。税務署の受付印がある控えを所有しておくことが大切ですから気をつけましょう。

メリット

  • 税務署で混雑待ちをしなくてもよい
  • 手続きとしてはまずまずお手軽(むずかしくない)

デメリット

  • 郵便料金がかかる(提出分・返信分)
  • 返信が戻ってくるまで、「ちゃんと届いたかなぁ、だいじょうぶかなぁ」と、なんか不安
郵送はなんでもOKではない
確定申告書等のいわゆる「信書(≒文書)」を扱うことができない郵便サービスもあります。ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストです。
これらは信書ではなく、「荷物」を扱うサービスの位置づけです。ちなみに、レターパック(レターパックプラス、レターパックライトとも)はOKです。
また、税務署は「申告書を荷物扱いで送らないで」と言っています。宅配便・宅急便の類で送らないように気をつけましょう。

《提出方法③》電子申告する

e-Tax(イータックス)という電子申告のシステムを使って、申告書を提出する方法です。前の2つは紙による提出でしたが、こんどは電子です。

ネットでできる! という謳い文句はたいへん魅力ではあるものの、一般にややハードルがあるのも事実です。

事前の手続き、準備も必要であることから、申告期限間際になって着手するようなシロモノではございません。

電子申告自体はいちばんのおすすめですが。とくに最初は、相応の時間的余裕と覚悟をもって取り組まれることをおすすめいたします。

【参考】開始までの流れ、手続きの詳細はこちら → e-Taxサイト「事前準備の流れ」

メリット

  • 税務署や郵便局などに行かなくてよい
  • 24時間(確定申告期間限定)、いつでもネットで申告できる
  • 還付税額がある場合には、紙による申告よりも還付が早い
  • 源泉徴収票や医療費領収書など、一定の添付書類の提出を省略できる(保管は必要)

デメリット

  • 事前の手続きがちょっとメンドー
  • パソコン、ICカードリーダー、マイナンバーカード、ネット環境などの準備とおカネが必要
  • e-Taxシステムに慣れるまでは、設定・操作に時間がかかる

 

確定申告書の4つの納税方法

フリーランス・個人事業主が提出する確定申告書の納税方法は4つです。

  1. 現金で納付する
  2. 口座振替にする
  3. 電子納税する
  4. クレジットカードで支払う

 おまけ・コンビニ納付

《納付方法①》現金で納付する

納税期限の3月15日(土日である場合には明けの月曜日)までに、銀行や郵便局などの金融機関、または税務署に行き、現金で納付をする方法です。

注意点は、「納付書」を自分で準備することです。いくら納付してくださいとか、いつまでに納付してくださいというお知らせはありません。

確定申告書で計算された税額を、自分で納付書に記載することが必要です。納付書は、税務署などで入手できます。

【参考】納付書イメージ・記載例はこちら → 国税庁WEBサイト「納付書(領収済通知書)の記載要領」

メリット

  • 特にありません。いつもニコニコ現金払いがお好きな方にはおすすめ?

デメリット

  • 銀行や税務署にわざわざ出向かなければいけない
  • 銀行や税務署が混んでいれば待たされる

《納付方法②》口座振替にする

指定した金融機関の預貯金から、口座振替で納付する方法です。

通常の納税期限は3月15日ですが、口座振替日は4月中旬(平成29年は4月20日、毎年要確認)と、実質的に納税を遅らせることができます。

注意点は、事前に税務署へ「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」なる書類を提出しなければいけないこと。

書類に記載不備、銀行印の印影不鮮明などがあるとやり直しになりますので、納税期限ギリギリではなく、余裕をもって提出することをおすすめします。

【参考】用紙の入手・記載例はこちら → 国税庁WEBサイト「[手続名] 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付」

メリット

  • 通常の納税期限から1カ月程度、納付を遅らせることができる
  • 事前の手続き(依頼書の提出)が難しくない
  • 銀行や税務署などに行かなくて済む

デメリット

  • 口座振替日に残高不足だと延滞扱いになり、延滞税(≒遅延利息)の支払いが必要

《納付方法③》電子納税する

インターネットバンキングやATMからの納税、またはダイレクト納付と呼ばれる方法による納税です。いずれの方法も、3月15日が納税期限になります。

2つの方法の違いとして。インターネットバンキング等による方法は、インターネットバンキングを利用できることが前提です。そのうえで、ペイジーという税金や公共料金を払うシステムを通じて納付する方法です。

ダイレクト納付は、インターネットバンキングの利用は必要なく、税務署に届け出る金融機関の口座から振替納付する方法です。

注意点は、電子納税に対応する金融機関の確認や、事前の手続きを要すること。そのあたりは、インターネットバンキング等による場合と、ダイレクト納付とで異なりますのでご注意を。

【参考】手続きの方法・手続き書類の入手はこちら →
国税庁WEBサイト「[手続名] インターネットバンキング等からの納付手続」
国税庁WEBサイト「[手続名]ダイレクト納付の手続」

メリット

  • 銀行や税務署などに行かなくて済む

デメリット

  • 事前の手続きがけっこうメンドー
  • にもかかわらず(!?)、3月15日までに納税が必要

《納付方法④》クレジットカードで支払う

みんな大好き(!?)クレジットカードでの納付。平成29年から可能になったあたらしい納付方法です。

通常の納税期限である3月15日までに手続きを済ませることで、カードの締め日・決済日に依り、実質的な支払いを遅らせることが可能です。

注意点としては、当然のことながらクレジットカードの利用限度額の範囲内ということ。

そして、決済手数料がかかること。税金 10,000円につき、税抜76円。って、高くない?(決済手数料がかかる理由を知りたいあなたはこちら→国税庁WEBサイト

それでも、それを上回るクレジットカードのポイント目当て。また、資金繰り上のメリット目当てとしての選択肢にはなりえます。

【参考】詳しい手続きの方法はこちら →[手続名]国税庁WEBサイトクレジットカード納付の手続

メリット

  • 銀行や税務署などに行かなくて済む(国税クレジットカードお支払サイトでいつでも24時間手続きOK)
  • 分割払い・リボ払いができ、実質的な納税を遅らせることができる(手数料は要確認)
  • クレジットカードのポイントが貯まる(注・各カード会社の規約による)

デメリット

  • 決済手数料(税金 10,000円につき、税抜76円)がかかる
決済手数料の注意点
税金 10,000円につき、税抜76円なのですが。正確には、「最初の1万円までは76円(税別)、以後1万円を超えるごとに76円(税別)を加算」です。
よって、もし税金が10,100円であれば、決済手数料は152円(税別)と割高に。クレカの還元率との比較をする際にはご注意を。

《納付方法・おまけ》税額30万円以下ならコンビニ納付

税務署まで出向き、依頼をすれば。コンビニで納付できる「バーコード付納付書」を作成してもらえます。

電子マネーで税金を払えるコンビニであれば、クレジットカードによるチャージ分だけポイント獲得のメリットも。

ただし、納付書1枚につき税額30万円以下の制限があります。「1枚につき」ということはもしかして・・・(以下省略)

ちなみに、納税期限は3月15日です。

 

まとめ

フリーランス・個人事業主の確定申告書の「提出方法・納税方法」についてお話をしてきました。

提出方法と納税方法はベツモノであり、組み合わせ自由です。それぞれのメリット・デメリット、注意点を確認のうえ選択しましょう。

【 提出 方法 】

  1. 税務署に持参して提出する
  2. 郵送する
  3. 電子申告する

【 納税 方法 】

  1. 現金で納付する
  2. 口座振替にする
  3. 電子納税する
  4. クレジットカードで支払う

 おまけ・コンビニ納付

 

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  きょうの執筆後記
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