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銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減する

銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減する

融資先の「経営計画書を見たい」と考える銀行が増えています。では、銀行に言われてから経営計画書をつくればよいのか? というと… 言われてからつくるようでは効果が半減しますよ、というお話です。

目次

経営計画書を見たい銀行

会社が融資を受けるにあたって、銀行に提示する書類はいろいろです。提示が「強制」される書類もあれば、「任意」の書類もあります。

たとえば、「決算書」は融資を受けるためには必須の提示書類であり、提示しなければ融資が受けられないという意味では、提示が「強制」される書類です。

いっぽうで「経営計画書」は、必ずしも提示を要する書類ではありません。むしろ、多くのケースでは、提示しなくても融資を受けることができるでしょう。

提示を強制されるのは、リスケジュール(返済の猶予・減額)しなければならないほど業績が悪いときに限られます。

とはいえ最近では、業績が悪くなくても「経営計画書を見たい」と考える銀行が増えてきました。その背景には「事業性評価」があります。

事業性評価とは、「融資先の業績の良し悪しや、担保・保証の有無に依存せず、事業の内容や将来性も評価しよう」という考え方であり、金融庁が銀行に求めている考え方です。

なので、銀行は事業性評価(による融資)に取り組まなければならない状況にあります。このとき、事業の内容や将来性を評価するためには、経営計画書が欠かせません。

だから銀行は、「経営計画書を見たい」と考えているし、実際に「経営計画書を見たい」ということもあるのです。

では社長は、銀行に言われてから経営計画書をつくればよいのか? というと。そうではありません。銀行に言われてからつくる経営計画書は、効果が半減するからです。

効果が半減するとは、いったいどういうことなのか。具体的には次のとおりです↓

銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減する
  • 後出しジャンケンだから
  • 提示が遅れがちだから
  • 検証ができないから

それではこのあと、順番に確認していきましょう。

銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減する

後出しジャンケンになる

銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減するとは、どういうことなのか? まずは、「後出しジャンケンになる」ことが挙げられます。

つまり、「銀行に言われたから、しかたなくつくりました」ということになるわけです。もちろん、それでも「無いよりはよい」のですが、「もともと在る」よりは効果が半減します。

もともと経営計画書をつくっている社長は、経営計画書の重要性・必要性を理解しています。いっぽうで、言われてからつくる社長はそれを理解していない、と銀行は考えるものです。

銀行は融資審査の際、会社そのものだけではなく、会社の「社長」にも注目をしています。とくに中小企業は、「会社 = 社長」だからです。

会社は社長の器以上に大きくならない、とも言われます。また、銀行員のあいだには「ヒトを見て貸せ」の言葉もあります。ゆえに、社長の資質・能力は、銀行の関心事なのです。

この点で、経営計画書の重要性・必要性を理解している社長なのかどうなのか? は、銀行にとって1つの判断材料になることを覚えておきましょう。

日ごろから経営計画書をつくり、管理・運用している社長は「銀行から一目置かれる」ということです。

事実、中小企業で経営計画書をつくっている会社の割合は、けして高くはありません。現状、経営計画書をつくっているだけでも、「他の会社との差別化につながる」とさえ言ってよいでしょう。

わたしが考えている、銀行融資で差別化につながる書類は3つです。1つめは、「タイムリーな試算表(遅れずに毎月つくる)」、2つめは「資金繰り予定表(向こう6ヶ月〜1年ていど)」、そして3つめが「言われる前につくる経営計画書」になります。

銀行から積極的な支援を受けたい、スムーズに支援を受けたいのであれば、それら3つの書類を提示できるようにしましょう。

提示が遅れがちになる

銀行に言われてからつくる経営計画書が、効果が半減する場面はほかにもあります。それは、提示が遅れるケースです。

経営計画書をつくったことがない社長は、経営計画書をつくるタイヘンさを知りません。経営計画書と言うと、「数値計画」をイメージする社長がいます。売上計画や経費計画、利益計画など。

ですが、数値計画は経営計画書の「ほんのいちぶ」に過ぎません。経営計画書に記載すべき項目を列挙すると次のとおりです↓

  • 経営理念・経営方針
  • 外部環境(機会と脅威)
  • 内部環境(強みと弱み)
  • 経営戦略(事業領域)
  • 経営課題
  • 行動計画
  • 損益計画
  • 資金繰り計画

というわけで、まずは「計画の根幹」として、「経営理念・経営方針」を明文化することからはじまります。ところが中小企業では、これができていない社長が少なくありません。

次に、「外部環境」や「内部環境」の整理をおこない、その結果にもとづいて「経営戦略」を立て、「経営課題」の抽出をおこないます。そのうえで、課題を解決するための「行動計画」を立案し、行動の結果としてあらわれる数字を「損益計画・資金繰り計画」としてまとめます。

と聞けば、経営計画書をつくるのもタイヘンそうだ… ということがわかるでしょう。ところが、つくるのが初めての社長は、そのことをわかっていません。結果として、「すぐに提示できる」ようなことを銀行に言ってしまいます。

当然、すぐにできるようなものではありませんから、なかなか提示することができずにズルズルと遅れていくのです。すると銀行は、「あぁ、いまになって慌ててつくっているんだな」と察します。こうなると、前述した「後出しジャンケン」です。

妥当性の検証ができない

さいごに、もうひとつ。銀行に言われてからつくる経営計画書が、効果が半減する場面として「妥当性の検証ができない」というケースが挙げられます。

言うまでもないことですが、計画書は「つくっておしまい」ではありません。計画書は「実行」されなければ、ただの紙切れです。実際、計画書をつくったきり、引き出しの肥やしにしているというハナシはそこかしこ。

それを知っている銀行は、経営計画書を提示された銀行は「実行されたのか?」に注目しています。そのうえで、「計画値に対して、実績値はどのくらいだったのか?」を知りたいのです。

たとえば、計画した売上金額に対して、実績の売上金額が 50%でした… みたいなことが続いていれば、銀行は「この会社の計画はアテにならない(=絵に描いた餅)」だと考えます。

いっぽうで、計画した金額と実績の金額に乖離がなければ、「この会社の計画は信用できる!」ということになるわけです。なので、銀行は「計画の妥当性を検証する」ために、実績と計画とを比較しています。

ところが、言われてからつくる経営計画書には、その「実績」がありません。過去に経営計画書をつくっていなかったのですから、計画と実績とを比較できず、銀行は計画の妥当性を検証できないわけです。

これでは、計画書の効果も半減してしまいます。だからこそ、経営計画書は日ごろから「管理・運用」しておくことが大切なのです。

ちなみに、銀行が見ているのは「数字」だけではありません。「行動」も見ています。つまり、「行動計画」は実行されたのかどうかです。

たとえば、計画した売上金額に対して、実績の売上金額が届かなかったときに、それでも「行動計画どおりに行動したのか」どうか。行動していればまだしも、行動していなかったのだとすれば、「決めたことができない会社」だとわかります。

というように、銀行は行動の検証もしたいのですが、言われてからつくる経営計画書となると、それもできません。やはり、日ごろからの「管理・運用」があってこその経営計画書です。

まとめ

融資先の「経営計画書を見たい」と考える銀行が増えています。では、銀行に言われてから経営計画書をつくればよいのか? というと… そうではありません。

言われてからつくるようでは、効果が半減してしまいます。その理由を理解したうえで、社長は日ごろから、経営計画書をつくっておくようにしましょう。

もちろん、銀行のためばかりではなく、社長自身の経営に役立つことでもあります。

銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減する
  • 後出しジャンケンだから
  • 提示が遅れがちだから
  • 検証ができないから
銀行に言われてからつくる経営計画書は効果が半減する

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