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質か速さか、二者択一ならば。

質か速さか、二者択一ならば。

質か、それとも量か?という選択の問題がありますが。似たように、質か速さかの二者択一をせまられたらどちらをとるか。その理由も含めて、わたしの考えをお話ししていきます。

目次

どっちも大事だなんて言わせない。

世の中に「よくある議論」の1つに、「質か、それとも量か?」があります。これに似たものといえるのが、「質か、それとも速さか?」です。

と聞いて、「そんなの、どっちも大事に決まっているだろう」などと言っているようでは困ります。どっちも大事といえるのは、二者択一の先にこそ存在するものだからです。

つまり、質も速さも大事だけれど、苦渋の選択をした結果、やっぱりどちらも大事、バランスが大事であることに、心の底から気づく…そういうものではないでしょうか。

と、前置きが長くなりましたが。要は、質か速さかと問われたら、オマエはどっちを取るんだい?というハナシです。わたしは、迷わず「速さ」を取ります。速さの先に、質もあるからです。

そのワケを、このあとお話ししていきます。次のとおりです↓

質より速さを取る理由
  • 経験効果が働く
  • 振り返りが増える
  • クオリティにはキリがない

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

質より速さを取る理由

経験効果が働く

同じ課題を繰り返した回数が多いほど、1回あたりの作業時間が減少する。いわゆる「学習曲線」という考え方があり、実際に証明されています。

だとすれば、速さ重視で回数を増やすことで、1回あたりの作業時間が減って、さらに速くなるという好循環を生み出すのでは?という仮説が成り立つでしょう。

また、生産量が増加するにしたがって、1生産単位あたりのコストが減少する、いわゆる「経験曲線」という考え方もあり、やはり実際に証明されています。

だとすれば、速さ重視で生産量を増やすことで、1生産あたりの「時間」というコストを減らすことができるのでは?という仮説もまた成り立つでしょう。

たとえば、このブログ。質か速さかと問われたら、わたしは「速さ」だと答えます。もし、質にこだわっていれば、「毎日更新」などできません(きょうで2,731日め)。

質にこだわれば、「もっとうまくかけるはずだ!」と時間をかけることになるからです。ところが、時間をかけることで「回数」や「生産量」が減るのだとしたら?

学習曲線や経験曲線といった「経験の効果」を得にくくなってしまいます。たとえるなら、100回素振りをするよりも、1万回素振りをするほうがチカラは付くんじゃないの?ということです。

ブログをはじめた当初は、3,000字を書くのに2時間も3時間もかかっていました。いまは、おおむね45分〜60分くらいです。中身についても、当初に比べればよくなっているともおもいます。

なので、わたしは「経験の効果」を信じて、質より速さを選ぶ派です。

振り返りが増える

わたしは税理士なので、お客さまの税金計算をすることがあります。このとき、まずは「質より速さ」で、いちどめの計算を進めます。って、おいおい、そんなんで大丈夫か?とおもわれるかもですが。

速くおえている分、時間はありますから、こんどは「質」を重視して見直すことができます。つまり、「質より速さ」を選ぶと、振り返りの機会を増やすことができるのはメリットです。

これに対して、はじめから質を重視して、いちどめの計算にたっぷり時間をかけていたらどうでしょう。極論、時間がなくなって、振り返り(見直し)はできなくなってしまいます。

不思議なもので、いくら質を重視しても、なにかしらの不備やミスはあるものです。いかなるときも、コンディション(体調や気分、環境など)が完璧ということはありません。

ゆえに、不備やミスは生じるものであり、振り返りによって違うコンディションで臨むことで、その不備やミスにも気づきやすくなります。

わたしは、ひとりで仕事をしていることもあり、誰かにチェックしてもらうこともできません。だから、なおのこと「振り返り(見直し)」の機会を大切にしています。

その機会を得るために、速さ重視が欠かせません。いちどめから質にこだわるあまり、速さを軽視していると、積もり積もって、振り返りなどしているヒマがない…ということになってしまう。

これは、わたしが過去、実際に経験しているから言えることです。質が大事だからこそ、速さをより大事にすることをおすすめします。

クオリティにはキリがない

クオリティ(質)の高い仕事をしたいんだ!という意気込みはすばらしいものです。とはいえ、クオリティに限度はないともいえます。突き詰めようとおもえば、どこまでも…

まだ高められるはずだ、もっと高められるはずだと、いつまでたっても完成しない。というのは、意外と「あるある」でしょう。いうなれば、やるやる詐欺です。

厳しい言い方をすれば、「クオリティが大事」などというのは、やらないじぶんへの言い訳だと、わたしは考えるようにしています。逆に、やる人間にとって「クオリティが大事」なのはあたりまえであり、あえて言うほどのことでもありません。

と、エラそうなことを言うまでもなく、あきらめも肝心です。クオリティには限度がないのですから、「ま、こんなもんでしょ」とあきらめる。完璧よりも、完成を目指す。

そしてまた、次に挑戦をすることで、前述した「経験の効果」を得やすくなります。その結果、気がついたらクオリティが上がっていました!というのもまた「あるある」です。

なので、もしじぶんが「クオリティ」にとらわれているようなら、いったんあきらめる、いったんおわらせることを考えてみる、というのはいかがでしょうか。

まとめ

質か、それとも量か?という選択の問題がありますが。似たように、質か速さかの二者択一をせまられたらどちらをとるか。その理由も含めて、わたしの考えをお話ししてきました。

実際のところ、質と速さの両方を追い求めることにはムリがあります。二兎を追うもの一兎をもえず。いっぽうで、一兎を追うからこそ、結果として二兎を得られることはあるものです。

質より速さを取る理由
  • 経験効果が働く
  • 振り返りが増える
  • クオリティにはキリがない
質か速さか、二者択一ならば。

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