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税理士の僕が「銀行融資」という言葉を使うワケ

税理士の僕が「銀行融資」という言葉を使うワケ

好んで、「銀行融資」という言葉を使っています。他にも似たようなところでは、資金調達や財務、資金繰りなどの言葉もありますが、それでもなぜ、銀行融資という言葉を使うのか?税理士のわたしが、お話をしてみます。

目次

信念と姿勢と。

今回は、じぶん語りを少々。わたしは、「銀行融資専門」と自称しています。また、サービスメニューとして「銀行融資支援」という名称を付しています。つまり、「銀行融資」という言葉を使っているわけですが、なぜ、ほかの言葉を使わないのか。

たとえば、資金調達支援とか、財務コンサルとか、資金繰り支援とか。ときには、意図的にそういった言葉を使うこともありあますが、原則、使わないようにしています。

そこには当然、わたしなりの信念があり、あるいは、税理士として銀行融資にたずさわるからこその姿勢だと言ってもよいでしょう。そのあたりの説明として、わたしが「銀行融資」という言葉を使うワケについて、このあとお話をしてみます。

手段から目的へ

手段か目的か、と問われれば。銀行融資は、まぎれもなく手段です。なので、銀行融資を受けておしまいということはなく、銀行融資を受けたのち、目的を果たせるかどうかが重要になります。

その目的を端的にいえば、「財務改善」とか「資金繰り改善」といったことになるでしょう。銀行融資は、そのためのいち手段にすぎません。

ですから、サービスメニューとしては「財務改善支援」や「資金繰り改善支援」といった表現のほうが、より的確ですし、より本質的です。より目的をあらわしてもいるでしょう。

ところが、それら目的には「抽象度が高すぎる」というデメリットがあります。たとえば、「財務改善」と聞いた社長が、その姿を「具体的におもいうかべる」のはカンタンではありません(実際にたずねてみるとわかります)。

もちろん、財務改善が大事であり、本質的であるのは間違いないものの、それより何より、社長にとっては「いかにして銀行融資を受けるか」のほうが、具体的かつ喫緊の問題であるものです。

だとすれば、そういった社長は「銀行融資」をキーワードに、問題解決の方法や支援者を探すはずだ。そのとき、役に立つことができるよう、わたしは「銀行融資」をキーワードに発信活動を続けています。

そのうえで、目的(財務改善や資金繰り改善)については、「おいおい伝えられればよい」との考えです。目的にこだわるあまり、じぶんの発信がそもそも届かないのでは元も子もありません。

ヒトはわかっていても、目的より手段に注目してしまうところがあります(わたし自身もそうです)。それは習性といってもよいものであり、しかたのないことでもあるでしょう。

だからまずは、1人でも多くの人に注目してもらえるように、あえて手段(銀行融資)を前面に出して話をはじめる、というのがわたしの姿勢になっています。きっかけは手段からでかまわない、わたしさえ目的を忘れていなければよい、そう考えています。

難しいことをわかりやすく

デキる専門家の定義として、「難しいことを、わかりやすく伝えられる」というハナシがあります。これに対して、難しいことを難しいまま伝えたり、本当はカンタンなことを難しく伝えてしまったりするのは、デキない専門家だといえるでしょう。

それなら、わたし自身はデキる専門家です。などと言うつもりはありませんが、「わかりやすく伝える」ことは、発信を続けるなかで常に考えています。

この点、専門用語を使ったり、意味がはっきりしないカタカナ用語を使ったりを控えるのは当然として。「資金調達支援」や「財務コンサル」といった、一見するとカッコよさげな言葉も、基本的には避けるようにしています。

専門用語もカタカナ用語も、パッ見ではカッコよさげなのですが、実は「ことをわかりにくくしている」という点では害悪です。じぶんのことを棚に上げていうのなら、カッコよさげな言葉を使うことは「自己満足」でしかありません。

なので、カッコよさげかどうかよりも、わかりやすいかどうかに「基準」をおいて、言葉選びをしているところです。と聞いて、「いやいや、カッコよさげだから専門用語を使っているのではない」とおもわれるかもしれませんが。

ではなぜ、「わざわざ」専門用語を使うのでしょうか?相手が専門家である場合を除いて、「わざわざ」わかりにくい言葉を使う理由は、カッコつける以外にはない。というのが、わたし自身の過去をふまえた経験則です。

よって、「資金調達支援」や「財務コンサル」というよりも、「銀行融資支援」のほうがわかりやすいだろうと考えて、わたしは「銀行融資支援」という言葉を好んで使っています。

専門家という病にあらがう

わたしが、「銀行融資」という言葉を好んで使うのは勝手です。とはいえ、税理士という仕事柄、「権威性」を求められるケースがゼロではありません。

たとえば、とある媒体から執筆を依頼された場合に、「銀行融資よりも、資金調達や財務改善という言葉のほうが、税理士的な権威性を示すことができる」などと指摘をされることはあるものです。

言わんとしていることはわかります。わかりますが、それもまた「自己満足」というものであり、どこか読者を置き去りにしている観があるとおもうのは、わたしだけなのでしょうか。

まぁ、わたしだけだとすれば、その権威性にしたがわざるをえないわけで。媒体に頼る以上は、したがわざるをえないこともあるわけで。これをひとことで言えば、「専門家という病」です。専門家はすべからく権威的でなければならないのだ!みたいな。

それはさておき、わたしには「専門家という病」にあらがう術(すべ)があります。このブログをはじめとした、じぶん自身の発信媒体です(いわゆるオウンドメディア)。

それであれば、仮に権威性がそこなわれるとしても、わたし自身の権威性のみであり、ほかの税理士や、ほかの専門家に迷惑をかけるものでもありません(公序良俗に反したりしなければ)。

わたしは、わたしが伝えたいことがあって発信をしているのであって、であれば、じぶんが伝えたいように伝えたい。そのために、ブログで書いているし、ブログを続けてもいます。

ちなみに、他媒体にて、わたしが権威性に飲まれたような言葉を使ったり、表現をしていたりするかもですが。「それはそれで、じぶんの存在を知っていただくきっかけになるから」などと言ったら、詭弁だとおもわれるでしょうか。

おもわれますよね、しかたない。とはいえ、「何を言うかよりも誰が言うか」のほうが重視されることはあるものなので、「何者でもないじぶん」を補うためには、媒体に頼ることも必要です。と、さいごは完全に言い訳めいたハナシになったところで、おしまいとします。

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