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確定申告で迷わない!フリーランスのための勘定科目【損益計算書編】

フリーランスの勘定科目

この経費って、勘定科目は「ナニ費」にすればいいんだ・・・?

と悩んでしまうあなたに。フリーランスにおすすめの「勘定科目の考え方」をお話しします。確定申告だけでなく、自分自身にも役立つ勘定科目について考えます。

目次

税務署のため、確定申告のためだけの勘定科目ではダメ

フリーランスの帳簿づけ(経理)で悩ましいのが、「経費」の勘定科目をナニにするか。

「勘定科目を考える」と言うと、アタマに浮かぶのが確定申告。確定申告のため、税務署のために帳簿をつけなきゃ。それはそれでひとつの真実ですが、「それだけ」ではモッタイナイ。

帳簿をつける(経理をする)なら。本来、自分自身のためでありたいもの。自分自身が理解をしたり、気づきを得たりできるような勘定科目を考えるのがベストです。

そこで。税務署への確定申告のことも視野に入れつつ自分自身のための勘定科目、という「イイとこどりの勘定科目」について考えてみましょう。

 

まずは税務署用の勘定科目を眺める

フリーランスは確定申告を避けて通ることはできません。どれだけ「自分自身のため」と言ったところで、さいごは税務署です。

ということで。まずは、確定申告という視点で勘定科目を見てみましょう。

青色申告の損益計算書は最大24科目

「青色申告の確定申告」を前提にお話ししていきます。青色申告ってナンダ?というひとは、次の記事をさきに一読してください。

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確定申告では、税務署に「決算書」を提出します。「決算書」は、「損益計算書」と「貸借対照表」に分かれます。今回お話しするのは、「損益計算書」のほう。

損益計算書のキホン構造は、「売上-仕入-経費=利益」です。実際の書式はこんな感じです。

損益計算書

このうち、経費として使う勘定科目は実に24科目分。自由に使える6つの「空欄」を除いても18科目。これだけあれば迷いもするというものです。

さて。18科目はすでに「印字済み」であり、指定の勘定科目になっています。が、帳簿をつけるにあたり、経費の勘定科目として何を使うかは自由です。

極端な話、印字済みの18科目もまったく使わず、オリジナルの勘定科目を30科目使っていてもかまいません。とはいえ。さいごは、「税務署用の24科目」にまとめる必要があります。

そう考えると、いくら自由といっても「24科目」の中で、自分自身のためになる勘定科目を考えるというのがベターということになるでしょう。

まずは印字済み18科目の使い方

「税務署用の24科目」を考慮して、自分自身のための勘定科目を考えてみることにしましょう。まずは、さきほどの「印字済み18科目」についての使い方を一覧にしてみます。

勘定科目使い方の例示
租税公課住民票など役所の文書にかかる費用、収入印紙代、個人事業税、消費税、固定資産税
荷造運賃 売上商品の発送にかかる梱包費・発送費
水道光熱費電気代、ガス代、水道代、灯油代
旅費交通費電車代、バス代、タクシー代、宿泊代、カーシェア利用料
通信費電話代、インターネット利用料、切手代・はがき代・郵便料金
広告宣伝費広告掲載費用、WEBサイト運営費用、名刺代、会社案内・パンフレット製作費
接待交際費取引先などの飲食代、贈答代、香典・祝儀、ゴルフ代
損害保険料店舗・事務所の損害保険料、損害賠償保険料
修繕費パソコンなどの修理代
消耗品費10万円未満の備品、文房具、雑貨
減価償却費10万円以上の備品などの減価償却
福利厚生費 従業員の茶菓子代、香典・祝儀
給料賃金従業員の給料・賞与
外注工賃 外部業者への業務委託費(いわゆる外注費)
利子割引料借入金返済の利息部分(元金部分は経費対象外)
地代家賃 店舗・事務所の賃借料、月極駐車場の利用料
貸倒金売掛金や貸付金の回収不能額 
雑費振込手数料、他の勘定科目のいずれにも分類できないもの

以下、補足します。

租税公課

個人事業税は利益が一定額以上になるとかかる税金です。消費税は、年商が1,000万円を超えるとかかるようになります。

固定資産税は、「自宅分」は経費になりません。店舗や事務所分の固定資産税、備品類にかかる償却資産税が経費の対象です。

消耗品費

これとは別に、文房具代などとして「事務用品費」という勘定科目を使う場合があります。ただし、消耗品費か事務用品費かで区別があいまいになるケースが少なくありません。

事務用品費と消耗品費とをわけるのに明確な理由がない限りは、「消耗品費」一本にまとめるほうがよいでしょう。

減価償却費

10万円以上のパソコンなどの備品類、クルマなどは1度で経費にはなりません。複数年にわけて経費にしますが、それが減価償却費です。減価償却についてはコチラの記事もどうぞ。

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福利厚生費・給料賃金

フリーランスの場合、自分自身は「従業員」という考え方ではありません。したがって、ほとんど使うことがない科目でしょう。

地代家賃

自宅としての家賃は経費になりません。自宅のうち、仕事用の事務所と区分できる場所がある場合には、面積などであん分して経費にすることができます。

雑費

「迷った経費は雑費に」というのはやめましょう。あくまで他に分類できる勘定科目がないときに使うものです。しいて言えば、振込手数料くらい。

この勘定科目の金額が多いと税務調査が来やすい、というハナシがあります。ほんとうに来るかはともかく、税務署に関心を持たせてしまうことは確かです。

自分自身のための勘定科目

空欄6科目分の使い道

続いて、損益計算書の「空欄6科目」分の使い道について考えてみましょう。フリーランスの特性なども考慮して、おすすめの使い方は次のとおりです。

勘定科目使い方の例示
会議費カフェなどでの打合せ、ひとり仕事費用
図書費書籍代
研修費セミナーの参加費用
支払報酬税理士などへの報酬
諸会費同業者団体などの会費
車両関連費ガソリン代、ETC利用料、時間貸駐車代、自動車保険料、車検・修理代
リース料パソコン、コピー機などのリース料

6つではなく、7つありますが。全部が必要なわけではないと思いますので、必要に応じてということで。以下、補足します。

会議費

フリーランスはカフェでよく仕事をします、たぶん。わたしも移動途中にスタバなどで仕事をしています。その際のカフェ代は経費として、わたしは会議費に区分しています。

もちろん、「会議費」の勘定科目でなくてもかまわないのですが参考に。

図書費・研修費

フリーランスに「自己投資」は欠かせない経費です。書籍代やセミナー参加費用は、それなりの金額になると考えますので勘定科目を用意します。

金額によっては「図書研修費」などとして、一緒にするという考え方もありでしょう。

車両関連費

所有するクルマに関する費用は、一切合切「車両関連費」とすることをおすすめします。クルマを持つことでかかっている費用総額を意識できるようにするためです。

クルマを持っているとおカネかかるんだね、ということでクルマはほんとうに必要かどうかの判断材料にもなります。

 

自分自身のために、24科目以外に「補助科目」をツカえ!

確定申告の決算書の様式から「24科目に収めるのがベター」ということで勘定科目を見てきました。

ここで冒頭の話に戻って、「自分自身のための」勘定科目を考えるには。実は、「24科目では不足だ」という部分が出てきます。

たとえば。奮発して7万円のカラーレーザー複合機を買いました、という場合。勘定科目は消耗品費です。確定申告を考えれば、なんら問題ありません。

ですが、自分自身のおカネの使い方を考えようというときには、これでは役に立たないのです。どういうことかというと・・・

来年の計画を考えよう!

経費はどれくらいかかるかな?

今年の経費を参考にしてみよう

どれどれ、消耗品費は年間で55万円くらいかな

では、来年の計画も消耗品費は55万円で

決算書の数字だけを見ているとこうなります。ところが、7万円のカラーレーザー複合機は毎年買うものではありません。ですから、通常時の消耗品費は「55万円-7万円=48万円」です。

これをイチイチ、勘定科目の中身(元帳)を見て拾い上げていたのではタイヘンです。そこで、「補助科目」という考え方が出てきます。

補助科目とは文字通り、勘定科目の「補助的な科目」です。消耗品費という勘定科目の下層に、もうひとつの科目があるというイメージ。会計ソフトであれば、ほとんどのもので設定できます。

さきほどの例で言えば、「勘定科目の消耗品費」に、次のような補助科目を設定します。

勘定科目補助科目金額
消耗品費臨時70,000
消耗品費通常480,000

補助科目名は、自分がわかりやすいように自由に決めてOKです。このように分けておくと、自分に必要な数字がすぐにわかるようになります。

当然、補助科目は税務署に提出する確定申告書に表示されません。あくまで、自分自身のための補助科目です。

ほかにも、会議費の補助科目を「打合せ」「ひとり仕事」に分ける、通信費を「電話代」「郵便料金」に分けるなど、いろいろ考えてみましょう。

注意点は必要以上に細かく補助科目を作らないこと。その補助科目の金額を知ったとして、判断・行動できないものまで分けても意味がありません。

処理が煩雑になっただけ、ということになりかねませんので注意しましょう。

 

まとめ

フリーランスの経費について、勘定科目の考え方を見てきました。

最大24科目の勘定科目と、補助科目の組み合わせで「自分自身のための」勘定科目をつくることができます。

補助科目なんて使ってなかったなぁ、というのなら、ぜひ補助科目の設定についても検討してみましょう。

数字を見て、判断・行動ができることを目的に、勘定科目を考えてみる。今回のポイントです。

 

 

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  きょうの執筆後記
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いまどきの会計ソフトはCSV形式でデータを吐き出せます。吐き出したデータは、エクセルでいかようにも加工できます。
うまく勘定科目が設定できていると、データ活用の場は広がります。
確定申告のためという帳簿づけ(経理)を脱することができるかどうかにかかっています。

フリーランスの勘定科目

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