独立開業のフリーランスがすぐに会計ソフトを買ってはダメな3つの理由

会計ソフトをすぐに買ってはダメな理由

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確定申告もあることだし・・・会計ソフトを買わなくちゃね。

いやいやまだ早い! いきなり会計ソフトは早すぎる。まずほかにやるべきことがありますよ。

ということで。独立開業したフリーランスが、すぐに会計ソフトを買ってはいけない3つの理由についてお話をします。

フリーランスがすぐに会計ソフトを買ってはいけない3つの理由

フリーランスになると、確定申告をしなければいけません。自分の商売の利益を計算し、税金の申告をする。

確定申告という突然の使命に、「それじゃ、まずは会計ソフトでも買いますか」という発想も少なくないようで。

たしかに、「確定申告 → 帳簿づけ(経理)→ 会計ソフト」というもっともらしい連想もわからないではありません。でも、まだちょっと早いかな、と。

 その理由は3つあります。

  1. 結局うまく帳簿をつけられない、あるいはメチャメチャ
  2. 帳簿づけ以外の大切なことをしそびれる
  3. 辛くてたまらない帳簿づけをすることになる

なんだかヒドい言われようでもありますが。「突然の使命」に翻弄されると、せっかくの会計ソフトも台無しです。

これら3つの理由を確認しながら、どうしたらよいのかについて見ていくことにしましょう。

 

《理由1》結局うまく帳簿をつけられない、あるいはメチャメチャ

いくらITが進歩したとはいえ、会計ソフトは「道具」にすぎません。道具の使い方を知らなければ、使い方を誤れば・・・

先走るからムダになる

会計ソフトは買った、持ってはいるけれど。

  • 結局、なにもできてません
  • とりあえず入力したけれど、なんかグチャグチャ(な気がする)

というような話を見聞きします。それはそうですよね。多くの開業フリーランスにとって、会計・経理は未知の世界です。会計ソフトという道具を手に入れたからといって、すぐにできるというものでもないでしょう。

だとしたら。会計ソフトを買うより先に、使うよりも先に、やるべきことがありそうです。

会計ソフトを買う、その前に。

会計ソフトが「道具」だと言うならば。使い道と使い方を、先に学んでおくべきです。具体的には、次のようなことが挙げられます。

  • 帳簿づけ(経理)の全体像
  • 帳簿の種類や構成
  • 帳簿のつけ方
  • 会計ソフトの役割
  • それぞれの会計ソフトの特徴

少なくともこれくらいのことは・・・、という事柄です。とくに、帳簿づけの「全体像」は押さえておく必要があります。

全体像を知らなければ、自分の立ち位置を確認することもできません。立ち位置がわからなければ、どこから手を付けてよいかがわからないのは当然です。

ITに頼りすぎるとケガをする

最近の会計ソフトはとても優秀です。いわゆる「簿記」という会計・経理の技術を知らずとも。そこをITが肩代わりし、カンタンに帳簿づけができるようになっています。

が。それがかえってアダになる、ということも少なくありません。先述した「とりあえず入力したけれど、なんかグチャグチャ」という状況です。

簿記を知らないのはよいとしても。「どういう取引が、どの帳簿に、どう記録されるか」というしくみは理解しておかないと、ヌケ・モレ・誤りに気づくことができません。グチャグチャを正すことができません。

ITに任せるべきこと(簿記)と、自分がやるべきこと(しくみの理解)とを区別しましょう。

 

《理由2》帳簿づけ以外の大切なことをしそびれる

確定申告に向けて、フリーランスがやるべきことは帳簿づけ(経理)だけではありません。帳簿づけばかりに目を奪われると、大切なことを見逃します。

帳簿をつけて安心しないで欲しい

帳簿づけ以外にも、確定申告に関する大切なことはいろいろあります。たとえば、

  • 青色申告承認申請書などの税務署への届出
  • 領収書などの書類の保存、管理
  • 経費になるか否かの考え方

「とりあえず会計ソフトで経理していれば大丈夫」というアタマでいると、これらのことを見逃します。

会計ソフトを買って安心する、使って安心するのではまだ早い。そういうお話です。

帳簿だけでは特典に届かず

会計ソフトで帳簿づけすると、税金の特典がある。それが「青色申告」です。これを目当てに、会計ソフトを使う人もいることでしょう。

ところで。その特典を受けるためには、原則、開業日から2か月以内に税務署への届出が必要です。「青色申告承認申請書」の届出

また、届出を出せばいいというだけでもなく。特典を受けるためには、領収書などの書類の保存・管理についても決まりごとがあります。

このあたりのことをわからずに、帳簿をつけて安心していると。特典を逃すという、残念なことになってしまいます。

ITは「偉大なるバカ」である

さきほど、会計ソフトは優秀だと言いました。たとえば、帳簿をつけるにあたり、「得意先と飲食をした」という項目を選択すると。

「接待交際費」という勘定科目を知らなくても、簿記を知らなくても。仕訳という会計技術を使い、自動的に帳簿をつけてくれます。

いっぽうで、この飲食が「実は家族とのプライベートな飲食」であったとしても。「それは経費ではありませんよ!」と、会計ソフトが指摘してくれることはありません。

逆に、経費にできるはずの領収書をあなたが見逃していても。「それ、経費なのにっ!」と、会計ソフトが指摘してくれることもやはりありません。

「経費」についての正しい考え方は、あなたが身につけなければいけない。そういうことです。

 

《理由3》辛くてたまらない帳簿づけをすることになる

なんのためかもわからずに帳簿をつけていると。辛くて辛くてたまらない。でも、帳簿づけは「確定申告のためでしょ?」って、それ違いますよ。

苦行で見誤るゴール

いままでやらずに済んだ帳簿づけをやらなければいけない、というのは苦行だとも言えます。

しかも。触れたこともない会計ソフトという道具が、貯まるストレスを助長します。

結果、会計ソフトによる帳簿づけを遂げたとき(その内容の正否は別にしても)、「やった、終わった」という達成感につつまれる・・・ しかし、これは錯覚です。終わってない。

会計ソフトによる帳簿づけの達成感で、ほんとうのゴールを見誤っている。ということに気が付かなければいけません。

ほんとうのゴールは別にある

帳簿づけのゴールは、帳簿をつけることでも、確定申告でもありません。では、ほんとうのゴールはどこにあるのか?

手元のおカネを増やすこと、です。ほかにも、表現はいろいろあるかもしれませんが、究極的にはコレです。つまり、

  • 商売の状況を、帳簿から正しくつかむ ↓
  • 帳簿からつかんだ状況を根拠に、正しい行動が増える ↓
  • 正しい行動が増えるから、商売がうまくいく、利益が増える ↓
  • 日々の帳簿づけから、利益を予測し、計画的な節税をはかる ↓
  • 利益が増えるから、節税できるから、手元のおカネが増える ↓

こんな流れの「繰り返し」を手に入れることが、帳簿づけのゴールと言えます。

帳簿づけが無くても、この「繰り返し」が絶対に不可能だというわけでないでしょう。けれども、確実性や再現性を高めるというのであれば、帳簿づけをおいてほかにありません。

会計ソフトをはじめる前に、このゴールを理解しておくことが大切です。帳簿はつけて終わり、で満足しないように。ただの苦行ではもったいない。

 

まとめ

独立開業したフリーランスが、すぐに会計ソフトを買ってはいけない3つの理由についてお話をしてきました。

「まずは会計ソフトを・・・」という気持ちはわかりますが、まずは確定申告や経理の全体像をつかむところから始めましょう。会計ソフトを買うのはそれからでも、決して遅くはありません。

注意点は、できるだけ早くはじめることです。早く、全体像をつかむこと。確定申告が押し迫ってしまえば、全体像をつかんでいるヒマはありません。

具体的な方法として。書籍を読んでみるセミナーに参加してみる、と。早く、ひととおり、体系的に、学ぶのにも役立つはずです。

 

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  きょうの執筆後記
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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!