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融資を必要とするいまだから『借金経営の抵抗』を減らす考え方

融資を必要とするいまだから『借金経営の抵抗』を減らす考え方

新型コロナウィルスの影響が、どこまで長引くかわからないいま。会社・事業を守るためには、銀行融資を受けて手元の資金を増やしておくことが必要だと言えます。

けれども、「借金はしたくない」ということもあるでしょう。そこで、「借金経営の抵抗」を減らす考え方についてお話をしていきます。

目次

融資を必要とするいまだからこそ。

きょう現在(2020年7月17日)、「銀行融資が受けやすい」状況にあると言えます。世の中は「まだまだコロナ下」です。多くの会社・個人事業者が厳しい資金繰りを強いられています。

そのような会社・個人事業者を支援すべく、国や地方自治体が主導のもと、「緊急」かつ「大規模」な融資が実施されているところです。ゆえに、通常よりもかなり融資は受けやすい。

いっぽうで。今後は、銀行融資が受けにくくなるものと考えられます。

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現状、まだまだコロナの影響は未知数であり、影響がどこまで長引くかは分かりません。

であるならば、いまのうちに、銀行融資を受けてできるだけ手元の資金を増やしておく。これが会社・事業を守る選択肢の1つになります。

けれども、「借金はしたくない」「借金経営には抵抗があると」いう社長・個人事業者の方もいることでしょう。

そこで。融資を必要とするいまだからこそ、「借金経営の抵抗」を減らす考え方についてお話をしてみます。その考え方とはこちらです ↓

借金経営に対する抵抗を減らす考え方
  • 余ったら返せばいい
  • 使わなければ借りていないのと同じ
  • いまは不測の事態が多い
  • 利息はそれほど高くない
  • 借金をするくらいなら会社を潰すか

借金経営に対する抵抗を減らす考え方

《考え方1》余ったら返せばいい。

いま使わないおカネ余らせておく、おカネを借りたくない、と考える社長・個人事業者がいます 。だから、借金をするのがイヤだ。借金経営に抵抗がある、と言うのであれば。

余ったら返せばいい、と考えてみましょう。

現状、まだまだコロナの影響は未知数であり影響がどこまで長引くか分からない、と前述しました。

いずれコロナがほんとうに収束して、借りていたおカネは「ほんとうに要らない」というのであれば。そのときこそ、余っているおカネは銀行に返してしまえばいいのです。

いっぽうで。おカネは、借りたいときに借りられるわけではありません 。借りるためには、銀行の審査をクリアしなければならず、必ずしも借りられるとは限らないからです。

したがって、借りられるときに借りておく、借りやすいときに借りておく。いまは借りやすいときなのですから。手元の資金が少ない会社・個人事業者ほど、いまのうちに借りておくことをお勧めします。

あとになって、「あのとき借りておけばよかった」との後悔はつらいものです。

いますぐに使わないおカネを借りるときには、「余ったら返せばいい」と考えることで、借金経営に対する抵抗を減らしてみましょう。

《考え方2》使わなければ借りていないのと同じ。

借金をすると借金だけが増える、と勘違いをしている社長・個人事業者がいます。

たとえば 1,000万円の融資を受けたとすると。借金が 1,000万円増えるのと同時に、おカネもまた 1,000万円増えています。

にもかかわらず。借金だけが増えた、と考えるのであれば。それは勘違いです。

将来に備えて借りるおカネは、いますぐには使わないおカネ。借りたおカネを使わずに置いてある限り、その分の借金は無いのといっしょです。

1,000万円の融資を受けて、1,000万円のおカネを使わずに置いているのであれば。1,000万円の借金はいつでも返済することができる。そういう話です。

借りたおカネを返済するには「利益」が必要だ。借りたおカネの返済原資は利益だ、とも言われますが。借りたあと、使わずにいたおカネがあるのであれば。たとえ利益がなくても、そのおカネで返済をするだけのことです。

借りたおカネは、使わなければ借りていないのと同じ。そう考えることで、借金経営に対する抵抗を減らしてみましょう。

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《考え方3》いまは不測の事態が多い。

冒頭で新型コロナウイルスの話をしました。新型コロナウイルスは想定外のことであり、不測の事態だと言えるでしょう。

不測の事態ということで言えば、ほかにも例を挙げられます 。

東日本大震災やリーマンショック… 近年では、自然災害も多いところです。台風や豪雨被害、雪不足などもありました。こうしてみると、「不測の事態は決して少なくない」と感じるところです。

そのような不測の事態に直面したときに、必要になるものとして「おカネ」が挙げられます。売上が減っても利益が減っても、手元におカネがあれば、そのあいだはしのぐことができる。

ところが。手元のおカネが少ないがために、コロナ禍では多くの会社・個人事業者が、融資を求めて銀行に殺到しました。

このとき、「殺到した側」であれば。それがいかに手間と時間をともなうものであるか、何より、いかに心労をともなうであるかは、身をもって理解したはずです。

いまは不測の事態が多い(少なくはない)と捉えて、あらかじめ融資を受けておく。

借りられるとき、借りやすいときに、あらかじめ融資を受けておく。そう考えて借金経営に対する抵抗を減らしてみましょう。

《考え方4》利息はそれほど高くない

借金に対する抵抗をいだく原因のひとつに、「利息」があげられます。利息を払うのがもったいないので、借金をするのは嫌だ、と言う社長・個人事業者がいます。

ところが、利息がそれほど高くないものだとしたらどうでしょう。

たとえば。500万円のおカネを、金利3%で借りた場合。1年あたりの利息は、15万円になります。1か月あたりの利息は 12,500円です。

と言ったときに。12,500円で 500万円のおカネが持てるなら、「利息はそれほど高くない」と考えられる人もいるでしょう。

この点で。12,500円という「金額」ではなく、3%という「金利」で見ていると、「利息は高い」と感じる人が多いようです。

したがって。借金に抵抗がある人は、利息を金利ではなく金額で見るようにもしてみましょう。

また、別の視点で。

年間売上高 5,000万円、年間利益 500万円の会社があったとします。この会社の利益率は 10%です(500万円 ÷ 5,000万円)。

では、この会社が、年間売上高の 10%にあたる 500万円のおカネを、金利3%で借りたとした場合。会社が支払う利息は 年間 15万円です。

すると、この会社の年間利益は 485万円になります(500万円 −15万円)。結果として、利益率は 9.7%になります(485万円 ÷ 5,000万円)。

よって、この会社は年間売上高の 10%の借り入れをしたことで、利益率が 0.3%減少したわけです。これを見て、それだけのおカネを借りても「0.3%しか利益率は変わらない」と見ることもできるでしょう。

実際、年間売上高 5,000万円の会社にとって、500万円のおカネがあるかないかは「大きな違い」になるものです。

というように。「利息はそれほど高くない」と考えることで、借金経営に対する抵抗を減らしてみましょう。

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《考え方5》借金をするくらいなら会社を潰すか。

ここまで、借金経営に対する抵抗を減らすための考え方を、4つほどお話ししてきました。

ただ、それでも抵抗を減らすことができない。借金をするのがイヤだ、と言うのであれば。さいごにもう1つ。

借金をするくらいなら会社を潰すか、という考え方をしてみましょう。

あまり想像したくはないことですが。おカネが無くて、会社が潰れてしまいそうな場面を想像してみます。そのときに、借金という選択肢があるとして。「借金をしてでも、会社をつぶしたくない」と考えるか。

それとも、「借金をするくらいなら、会社を潰してもかまわない」と考えるかどうか。

これに対して。借金をするくらいなら会社を潰す、そう言えるのであれば。それはひとつの考え方であり、ひとつの信念です。

けれども、多くの社長・個人事業者は、「借金をしてでも、会社を潰したくない」と考えるはずです。

実際に 、会社のおカネが無くなると、「銀行から融資を受けたい」という社長・個人事業者は多くいます。

ただし。融資を受けたいという場面、つまり、おカネが無いから融資を受けたい、という場面では。融資を受けることが難しいものです。

なぜなら、おカネが無い会社は、危ない会社なのであり。銀行としては、融資を躊躇するところだからです。

結局、銀行から融資を断られて大変な思いをする… そういう社長・個人事業者の姿を、残念ながらなんども見てきました。

あのとき借りておけばよかった。もっと前に、借りておけばよかった… との言葉も少なくないところです。

だから、借りられるとき、借りやすいときに借りておく。それができるように。「借金をするくらいなら会社を潰すか」と考えることで、借金経営に対する抵抗減らしてみましょう。

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まとめ

新型コロナウィルスの影響が、どこまで長引くかわからないいま。銀行融資を受けて、手元の資金を増やしておくことが必要だと言えます。

けれども、「借金はしたくない」と考える社長・個人事業者の方ももいることでしょう。それはそれでひとつの考え方ですが、会社・事業を守るために、借金経営に対する抵抗を減らすことも考えてみましょう。

借金経営に対する抵抗を減らす考え方
  • 余ったら返せばいい
  • 使わなければ借りていないのと同じ
  • いまは不測の事態が多い
  • 利息はそれほど高くない
  • 借金をするくらいなら会社を潰すか
融資を必要とするいまだから『借金経営の抵抗』を減らす考え方

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