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コロナ後はとくに、社長が銀行担当者に伝えるべきこと

コロナ後はとくに、社長が銀行担当者に伝えるべきこと

コロナ後のいま、とくに、社長が銀行担当者に伝えるべきことがあります。でないと、融資が受けにくくなるかもしれませんよ、というお話です。

目次

伝えたほうがよいことはいろいろあるけれど。

銀行融資を受けている会社の社長が、銀行担当者に対して伝えたほうがよいことはいろいろありますが。コロナ後のいま(2023年3月9日現在)、とくに伝えるべきことが次のとおりです↓

コロナ後はとくに、社長が銀行担当者に伝えるべきこと
  • 自社の商売
  • 自社の業績
  • 借入の計画

これらの情報が銀行担当者に伝わっていないようだと、融資が受けにくくなることが考えられます。では、どのように伝えたらよいのか? 具体的になにを伝えたらよいのか?

このあと、くわしく確認をしていきましょう。

コロナ後はとくに、社長が銀行担当者に伝えるべきこと

自社の商売

コロナの少し前あたりから、銀行には「事業性評価」という考え方が広まっています。事業性評価とは、「財務データや担保に依存せず、事業の内容や将来性を評価する」という考え方です。

あたりまえと言えばあたりまえなのですが、その昔(いまも名残はありますが)、銀行は「決算書の良し悪し」や「担保の有無」にばかり注目をしていました。

でも、本当に大事なのは「商売の良し悪し(事業の内容や将来性)」だよね。だから、ちゃんと事業を見ましょう、と金融庁が言っているものですから、銀行もそのような方向に動いています。

とはいえ、商売の良し悪しというのは、決算書だけを見ていてわかるものではありません。商売とはいうなれば、「だれに・なにを・どのように売るか」です。決算書ではわかりません。

となると、商売に関する情報を、会社が銀行に対していかに提供できるかが、事業性評価のカギになります。ひいては、融資の受けやすさにつながる部分です。

銀行は、事業性評価(による融資)を増やさなければいけない状況にありますから(金融庁に見られている…)、事業性評価がしやすい融資先を探しています。

では、どうやって商売に関する情報を伝えればよいのか。まずは、「商流図」を作成して、銀行担当者に提示・説明するのがよいでしょう。商流図とは、商品が顧客にわたるまでの流れをあらわした図です。くわしくはこちらの記事も参考にどうぞ↓

そのうえで、「だれに」については「顧客リスト」を、「なにを」については「商品パンフレットや現物(の写真)など」を、銀行担当者に提示・説明するのがおすすめです。

あわせて、「どのように」については、「自社の強み・他社との違い」をまとめた情報を提示・説明してみましょう。自社の商売について、銀行担当者の理解が深まるはずです。

自社の業績

金融庁が銀行に対して求めていることとして、前述の「事業性評価」に関連して「伴走支援」があります。伴走支援とは、融資先と一緒になって、融資先の事業の成長を支援することです。

事業性評価は、伴走支援の「いち手段」だと言えます。とはいえ、銀行にとって伴走支援とは手間がかかるものです。銀行担当者も忙しいのですから、取り組みづらいものがあります。

それでもやはり、銀行には取り組まざるをえない事情があるわけで(金融庁…)。伴走支援しやすい会社があれば、優先的に対応するというのは考えられるハナシです。

では、伴走支援しやすい会社とは。業績がきちんと把握できる会社です。もう少し言うと、最新の業績が把握できる、いまの状況が把握できる会社です。

さらに具体的に言えば、試算表や資金繰り表を毎月つくっている、経営計画書があって予実管理・進捗管理をしている、といった会社があてはまります。

逆に、試算表や資金繰り表はさっぱりつくっていない、経営計画書なんてそもそもない… みたいな会社は、とても伴走支援できるものではありません。事業性評価もしづらいものです。

加えて、もうひとつ。銀行が伴走支援に取り組みやすい会社があります。それは、「預金取引が多い会社」です。

売上入金や仕入・経費の支払いなどの預金取引が、自行の口座内で多い。すると、振込手数料収入が発生しますので、銀行は儲かります。であれば、伴走支援の手間をかける動機にもなるわけです。

また、預金取引が多ければ、おのずと預金残高が多くなります。これはこれで、銀行にとっては安心材料になるので、伴走支援にも取り組みやすくなるところです。

そう考えると、預金取引はあまり分散せず、メインバンクを中心に集中するということになるでしょう。

借入の計画

銀行は、おカネを貸すのが商売です。つまり、貸せるものならおカネを貸したいと考えています。

ところが、おカネを必要としている会社がわからない。会社がおカネを必要としているタイミングがわからない。だから、融資提案をできずにいる… という状況があります。

この点で、銀行融資は「貸してほしい」と頼むよりも、「借りてほしい」と頼まれるほうが、会社は融資が受けやすくなるものです。「貸してほしい」と言えば、多かれ少なかれ足元を見られる分、融資は受けにくくなるからです。

では、どうしたら銀行から「借りてほしい」と言われるようになるか。1つの方法が、「借入の計画」を銀行担当者に提示・説明することです。

毎年決算がおわったら、向こう1年、次の決算までのあいだの借入計画を伝えましょう。どのくらいの時期に、なんの理由で(資金使途)、いくらくらいのおカネを借りたいのか(借入希望額)を伝えます。

すると、銀行担当者は融資提案がしやすくなるものです。このとき、資金繰り表があると、さらに融資提案を検討しやすくなります。借入計画の妥当性や、資金繰りを検証できるからです。

というわけで、借入計画と資金繰り表を準備して、銀行担当者に渡すようにしましょう。これができている会社は、極めて少数派ですから、銀行から一目置かれることにもなります。

結果として、融資が受けやすくなるのもメリットです。

コロナを経て、中小企業は二極化がより顕著になりました。資金繰りが良い会社と悪い会社の二極化です。コロナ禍で受けた融資の返済が重荷になっている会社は、銀行も不安でしょう。

借入計画や資金繰り表は、そのような不安を払拭するのにも役立ちます。自社は、「良いほうの会社」であることをしっかりアピールしていきましょう。

まとめ

コロナ後のいま、とくに、社長が銀行担当者に伝えるべきことがあります。でないと、融資が受けにくくなるかもしれませんよ、というお話です。

    コロナ後はとくに、社長が銀行担当者に伝えるべきこと
    • 自社の商売
    • 自社の業績
    • 借入の計画
コロナ後はとくに、社長が銀行担当者に伝えるべきこと

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