ウワサの真相、暴いてみせます!確定申告・税金の3大都市伝説

確定申告・税金の都市伝説

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ウチみたいな小さなところに、税務調査なんて来ない来ない。ちょっとくらい悪さしたってだいじょうぶ。

ほんとうに? 

根拠なくささやかれる確定申告・税金の都市伝説について、その真相に迫ります。

都市伝説に踊る人、踊らされる人

世の中にあまたある都市伝説 ― 根拠不明にもかかわらず、ちまたに広がるウワサ話。

確定申告・税金の世界にも、まことしやかに語られる都市伝説があります。

税理士のわたくしが、その真相を暴いてみせましょう。

ということで、確定申告・税金にまつわる3大都市伝説についてお話をします。次の3話構成でございます ↓

【 確定申告・税金の3大都市伝説 】

  1. ウチみたいな小さなところには税務調査なんて来ない説
  2. 確定申告書は期限ギリギリに税務署に持ち込むと税務署のチェックが甘い説
  3. 税金はできるだけ払わない、極論「納税ゼロ」がいちばん説

それではこのあと、順番に見ていくことにしましょう。

個人事業者・フリーランスの確定申告・税金について、という視点でお話をしていきます。
しかしながら、会社(法人)についても、本質的に異なるところはありません。適宜、置き換えてお読みいただくことができます

 

《伝説その1》ウチみたいな小さなところには税務調査なんて来ない説

「税務調査」は、事業をする者にとっての関心事のひとつです。ゆえに、ささやかれるウワサ話の数も多い。

なかでも最も有名なのがコレ。「ウチみたいな小さなところには税務調査なんて来ないよ」説です。

「小さなところ」とはいかほどか、については年商(年間の売上高)を基準にされることが多く。その基準は1,000万円以下だとか、2,000万円以下だとか言われています。

つまり。年商ベースで2,000万円以下(あるいは1,000万円以下)のような事業であれば、それは「小さなところ」であって税務署の興味関心の外。税務調査は来ない。

そうかそうか、税務署は来ないのか。だったら、経費にしたもん勝ちじゃね? というようなお話です。マジか。

マジなわけありません、ということで真相についてお話しましょう。

真相:税務署はどこにだって来るときは来る

結論として、小さなところだろうとなんだろうと「納税に誤りがある」ことがわかれば税務調査はあります。

年商が少なかったとしても、「納税に誤りがある」ことが明らかであれば税務署は来るのです。

たとえば、収入に計上すべきネットオークションの収入を申告していなかったとして。税務署に見つかれば税務調査です。年商が1,000万円以下だとかは関係ありません。

調査となれば、漏れていた収入のほかにも、経費の計上に間違いはないかなど、全般にわたり確認をされうることとなります。もしも、経費を強引に計上していたりしたら・・・

ネットオークションの収入なんて見つかるのか、と言えば。税務署には、ネットオークション取引を監視する部署があります。

ネットの監視に限らず、数多くの調査資料やタレコミなど、税務署はさまざまな情報源を持っています。どこからあなたの情報が税務署に流れるかはわかりません。

また、確定申告書についても、経費の計上に不自然なところがあれば税務署は気が付きます。多くの申告データを持っているのですから、異常値は見つかると考えるべきです。

いずれにせよ、「納税に誤りがある」とわかれば、年商基準は関係ありません。年商基準とは関係なく、税務調査は行われます。

そもそも年商基準自体が、税務署によって公表されているものではなく、ただの目安でしかないのです。

税務調査の有無は未知なるものであって、誰にも予測することはできない。税務調査はいずれ来るもの、それが事業者が持つべきただしい心得です。

 

《伝説その2》確定申告書は期限ギリギリに税務署に持ち込むと税務署のチェックが甘い説

確定申告に不慣れな人にとって、税務署への確定申告書の提出はドキドキものです。

なんとか作ってはみたけれど、その中身については自信なし。提出のときに、税務署の窓口でいろいろ言われたらどうしよう・・・ みたいな。

そこで生まれた都市伝説が、「確定申告書は期限ギリギリに税務署に持ち込むと税務署のチェックが甘い」説。

期限間際の税務署には提出待ちの行列ができるほど。であれば、申告書のチェックもそこそこに受け取ってもらえるだろう。間違いも見逃してくれるだろう。というお話。マジで?

残念、これもマジではありません。

真相:チェックはあとでゆっくりじっくりされている

税務署の受付窓口でのチェックというのは、「最低限」のチェックです。氏名が記載されているかとか、押印があるかとか、必須の用紙が付いているかとかとかその程度。

これはもう、ほんとうに形式的なチェックです。ここで引っかかるようなものは、ある意味「ヤバい」です。もっとがんばりましょう、気をつけましょう、という話。

で、ここのチェックをパスして受け付けてもらえると。申告書の内容すべてのチェックが済んだかのように誤解をされている方がいますが、それは違います。

税額計算など申告書の中身については、のちほどじっくりと精査されるのであって、受付窓口のヒトはそこまで見ていません。

ですから、わざわざ期限ギリギリで混みあう中を待つのは時間のムダ以外のなにものでもないわけで。申告書は早く仕上げて、すいているうちに提出するに限ります。

もっと言えば、わざわざ税務署に出向かずとも、郵送や電子申告でも済むことです。申告書の提出待ちなんてもったいないからやめましょう。

 

《伝説その3》税金はできるだけ払わない、極論「納税ゼロ」がいちばん説

みんな税金が嫌いです。「みんな」は言い過ぎかもしれませんが、10人に聞いたら9人は嫌い。そんなレベルで嫌われているのが税金です。

そこで言われるのが、「税金はできるだけ払わないほうがよい、極論「納税ゼロ」がいちばん」説。

税金を払うくらいなら経費を使っちゃえ! っていうアレですね。経費をたくさん使えば、そのぶん税金が減るんだ。使え使え。

って、なんか妙になっとくしてしまう掛け声ではあるのですが。やっぱり間違ってます。残念。

真相:使った経費以上に税金は減らない、そのうえ低所得者になる

経費を使えば税金が減る、これはたしかです。けれども、手元のおカネはもっと減ります。税金が減った以上におカネは減る。

たとえば。税率20%、ただいまの利益100のヒトがいたとします。このままいくと、税金は20です(100 × 20%)。

税金を払うのがなんともシャクだから「経費を100使っちゃえ」。これで税金はゼロです(0 × 20%)。では、手元のおカネはどうなった?

経費を使わなければ80でした(100-20)。経費を使ったあとはゼロです、なにも残らない。税金は払わずに済んだけれど、経費でおカネを無くしてしまったわけです。

極端な例ではありましたが、似たようなことを多くのヒトがやっています。決算対策と称した飲み食いや衝動買いはその典型です。

もちろん、計画的な経費であればOKですが、税金を払いたくないばかりの衝動的な経費には要注意です。減った税金以上におカネが無くなる。これを節税とは言いません。

それからもうひとつ。

経費を使う、あるいは収入を減らして税金を少なくするというのは、自ら「低所得者」になることを選択しているということです。

個人事業者・フリーランスにとって確定申告書こそが収入証明。その確定申告の税金を減らす、すなわち、所得(≒利益)を減らすということは、より低所得を選んだことになります。

結果、「住宅ローン審査、入居審査に落ちる」「事業融資の審査に落ちる」「クレジットカードの審査に落ちる」「休業補償がもらえない」などのデメリットを招くことも。

税金が減って良かったね、では済まないことがあるわけで。節税は大事ですがバランスです。過度な節税には十分気をつけましょう。

『節税やり過ぎ』の確定申告書がもたらす5つのリスク

2017.07.12

 

まとめ

根拠なくささやかれる確定申告・税金の都市伝説について、その真相をお話をしてきました。

もっともらしく聞こえる話の中にも、根拠のないウワサ話は混じっているものです。

自分にとって都合のよいことほど、「ほんとうかな?」と疑ってみる視点を持ちましょう。

 

 

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  きょうの執筆後記
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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!