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フリーランス初心者注意!『青色より白色がいい』勘違いポイント

青色申告・白色申告の勘違い

”青色申告よりも白色申告のほうがいいんだって。”

って、それほんとうですか? 青色申告・白色申告について、フリーランス初心者が勘違いしやすいポイントをまとめます。

目次

フリーランス初心者注意!「青色より白色がいい」の勘違い

フリーランスになって確定申告をしなければいけない、となると。「青色申告か?はたまた白色申告か?」という問題が生じます。

このとき、「青色申告よりも白色申告がいい」「白色申告でもいい」という勘違いには注意をしなければいけません。

人から聞く情報、ネットで見た情報は、必ずしも正しいわけではありません。

間違った情報で、誤った答えを出してしまわないように。フリーランス初心者が勘違いしやすいポイントを確認するようにしましょう。こちらです ↓

  • 白色はラクで、青色はタイヘン
  • 青色はもっと儲かってから
  • どうせ赤字だから青色も白色も関係ない
  • 白色は税務調査がない

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

白色はラクで、青色はタイヘン

勘違いポイント

白色申告は帳簿つけをしなくていい、領収書などの書類を保存しなくてもいい。だから、白色はラク!

これは違います。白色申告でも、帳簿をつけなければいけませんし、書類の保存をしなければいけません。

勘違いの原因は、「昔」の白色申告にあります。

たしかに、平成25年までは、白色申告は帳簿をつけなくてもいいし、書類を保存しなくてもよかった。これが、平成26年から変わったのです。

このことを知らずに、「昔」の白色申告のハナシをしている人がいますので気をつけましょう。「今」は白色でも、帳簿をつけて、書類を保存しなければいけません。

なお、帳簿の形式については、白色申告のほうが青色申告よりも簡素です。ですから、「手書き」の帳簿つけを前提とするのであれば、「青色よりも白色がラク」という一面はあるでしょう。

 

しかし、青色申告でも「会計ソフト」であれば、むしろ白色申告で「手書き」より、ラクして速く帳簿つけをすることが可能です。

もちろん、会計ソフトを扱うのには少々の勉強は必要ですが、のちのちラクをしながら、青色申告のメリット(税金が安くなるなど)を得られるのであれば、勉強する価値はじゅうぶんです。

というわけで。白色でも帳簿つけ・書類の保存は必要であること。青色でも「会計ソフトでラクをする」という選択肢があることを覚えておきましょう。

 

青色はもっと儲かってから

勘違いポイント

まだ売上も利益も少ない今は、青色にするメリットはないだろう。もっと儲かってから青色にすればいい。

売上や利益が少ないうちは、もともと税金も多くはないし。青色申告の手間も考えると、節税面でのメリットもそれほどではないだろう。

というのであれば、これは違います。売上や利益が少ないとしても、青色申告のメリットは小さくありません。

 

「青色申告の手間」という点については、前述をしたとおりです。帳簿つけ・書類の保存という点では白色と変わりません。会計ソフトを使えば、むしろ青色のほうがラク。

それはそれとして、青色申告の節税効果はいかほどか? 年間の「利益(売上 − 経費)」と、それにかかる「税金」について、青色申告と白色申告とで比較してみましょう ↓

年間利益年間税金(所得税・住民税)
青色申告
65万円控除
青色申告
10万円控除
白色申告
100万円0.0万円2.4万円3.9万円
200万円7.4万円15.7万円17.2万円
300万円20.4万円28.7万円30.5万円
400万円35.1万円46.2万円48.3万円
500万円52.3万円66.8万円69.8万円
※ 上記は、社会保険料は国民年金・国民健康保険料を納めていること、一人世帯であることなどを前提にしています

いかがでしょうか? 青色申告と白色申告とでは、「相応の差」があることを確認できると思います。とくに、青色申告65万円控除と白色申告との差は大きなものです。

また、この税金の差が、仕事を続けるあいだずっと積み上がることになります。それでもまだあなたは「青色のメリットは小さい」と言えますか?

ちなみに、青色申告は「65万円控除」と「10万円控除」とに分かれます。詳しくはこちらの記事をどうぞ ↓

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どうせ赤字だから青色も白色も関係ない

勘違いポイント

どうせ赤字だから税金は出ないし。それなら、青色も白色も関係ないだろう。

赤字の年については税金はゼロ。たしかに、青色申告でも白色申告でも変わりません。

ところが。赤字がある場合、青色申告と白色申告とでは、翌年以降の税金に差が出ます。これは、青色申告の特典のひとつ「赤字の繰越し」によるものです。

青色申告をしている場合には、赤字を翌年以降3年間繰り越すことができる。これが「赤字の繰り越し」です。

たとえば。平成29年は「100万円の赤字」でした。平成30年は「300万円の黒字」です、という場合。

平成30年の税金を計算するときには、平成29年の赤字を相殺することができます。つまり、「300万円 − 100万円 = 200万円」に対する税金で済みます。

いっぽうで白色申告の場合には、赤字の繰り越しはできません。赤字は赤字でおしまいです。したがって、平成30年は「300万円」丸々税金がかかります。

もし、赤字金額が大きくて、翌年で相殺しきれない場合には、さらにその先2年間まで繰り越すことができます。青色申告と白色申告とでは、大きな税金の差になることでしょう。

どうせ赤字だから…、という勘違いには気をつけましょう。

 

白色は税務調査がない

勘違いポイント

白色は税務署の税務調査がないらしい…

これは違います。白色申告だから税務調査がない、ということはありません。

どうしてそんなハナシになっているのかはよくわかりませんが、そういうハナシがちまたに出回っていることは確かなようです。

フリーランスの税務調査に関して言えば、売上規模が大きいほど調査が入りやすい、という傾向はあります。ただし、売上金額が◯◯万円以上というような明確な基準はありません。

また、同じ売上1,000万円でも、都心部では目立たず、地方では目立つということもあります。したがって、同じ売上であっても、調査のある人もいれば、調査のない人もいます。

さらに。確定申告の内容がアヤシイ、確定申告をしていない、などのケースについては売上が少なかろうとなんだろうと税務調査はあります。

これらひっくるめて、税務調査はどこにでもありうる。白色申告もまったく例外ではない、ということを理解しておきましょう。

 

まとめ

「青色より白色がいい」の勘違いポイントについてお話をしてきました。

世の中には、根拠のないウワサ話もあるものです。「じぶん」の税金に関わることなのですから、人の話だけではなく、事の真偽をしっかりと確認をするようにしましょう。

とくにフリーランス初心者は要注意です。

 

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