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オモシロくてタメになる経理・税金用語 10選【フリーランス編】

経理・税金用語

「所得」ってどういうこと? 「所得控除」ってなに?

経理や税金の世界には独特な表現や用語がたくさんあります。

そんなものの中から、フリーランスのためのオモシロくてタメになる経理・税金用語を10選んでご紹介します。

目次

フリーランスのためのオモシロくてたタメになる経理・税金用語

所得だの、所得控除だの。経理や税金には、普通は聞いたことがない、よくわからない用語がたくさんあります。

けれども、フリーランスとして仕事をはじめた以上。知りませんでは、済まされない。知らないままでは損をするのが経理・税金用語です。

というわけで。10の経理・税金用語を厳選し、ご紹介をいたします。「厳密な用語解説」というカンジでもありませんので、肩のチカラを抜いてお読みください。

  1. 個人事業主
  2. 納税地
  3. 青色申告
  4. 帳簿づけ
  5. 仕訳
  6. 勘定科目
  7. 所得
  8. 経費
  9. 所得控除
  10. 試算表

 

《用語①》こじん-じぎょうぬし【個人事業主】

会社組織(=法人)ではなく、個人で事業を営んでいる人のこと。自営業者、個人事業者とも呼ばれる。

個人事業主はすべからく、自ら税金の申告(=確定申告)と納税をすべきとされ、期限である毎年3月15日が迫ると「あぁ、確定申告やらなくちゃ」が専ら口癖となる。

「個人」と言えど、従業員を雇い、はた目には会社組織と変わらぬ様相を呈している場合もある。この場合、個人事業主は会社で言うところの経営者・社長にあたる。

これに対して、個人事業主本人のみで仕事をするスタイルを「フリーランス」と呼ぶことがある。

 

《用語②》のうぜい-ち【納税地】

個人事業主が、税金の申告・納税をする場所のこと。通常は住所地となるが、事務所・店舗など事業をする場所(=事業所)を選択することもできる。

納税地の場所にしたがって管轄する税務署が定められており、開業時に開業届を管轄税務署に提出することで自身の納税地を届け出ることになる。

税務署からの送付物が自宅に届くと邪魔になる、整理しづらいような場合には「事業所」を選択。

逆に、事業所に届くと他の書類に埋もれやすい、従業員の目に触れるのも嫌だ、などの場合には「住所地」を選択するとよい。

住所地か事業所かの選択は開業時のほか、後日、税務署に届出をすることで変更も可能。

 

《用語③》あおいろ-しんこく【青色申告】

税務署が要求する帳簿を備えているなど、一定の要件を満たした個人事業主に、確定申告における税金計算上の特典を付与する制度。

「青色申告」の名称は、曇りなくクリーンなイメージのある「青」がその起源とされ、のちに申告用紙が青色になったと言われている。

青色申告制度の適用を受けるには税務署の承認が必要とされ、希望する個人事業主は、事前の申請をしなければならない。

もっとも、A4用紙1枚の申請書であり、難しい書類ではないのであるから、躊躇せずとにかく提出。承認を受け、特典を受けることが強く推奨される。

青色申告の承認を受ける者(=青色申告者)に対し、承認を受けない者を白色申告者と呼ぶ。白色申告には、税金計算上の特典は無い。

 

《用語④》ちょうぼ-づけ【帳簿づけ】

個人事業主が、主に税金の計算をするために、一定のルールに従い日々の取引を記録すること。「経理」とも呼ばれる。

手書き、Excel、会計ソフトなど手段はさまざまであるが、慣れや勉強が必要な部分でもあり、アタマを悩ませる個人事業主が少なくない。

また、「帳簿づけ」を漢字表記すると「帳簿付け」であるが。確定申告期限の間際となると、多くの個人事業者は「帳簿漬け」となるので注意が必要。

ちなみに、商売が繁盛する様子を「かきいれどき」と言うが、売れ行きがよいと取引が増え、帳簿への「書き入れ」の機会が増えることに由来する。

 

《用語⑤》し-わけ【仕訳】

帳簿づけに際して必要な、簿記(ぼき)と呼ばれる技能における記録技術。勘定科目(後述)と金額を用いることで、日々の取引を記録する。

仕訳を習得する過程では、借方(かりかた)や貸方(かしかた)といった専門用語も頻発することから、やる気が減退してしまう仕訳アレルギーや簿記アレルギーを発症するケースが散見される。

なお、帳簿づけにおける「しわけ」の漢字表記は「仕訳」である。「2位じゃダメなんでしょうか?」で一世を風靡した事業仕分けの「仕分け」と書き間違えるとちょっと恥ずかしいので用心すべし。

 

《用語⑥》かんじょう-かもく【勘定科目】

仕訳や決算書・試算表(後述)などで用いられる、金額の内容を表わす名称・呼称のこと。一例として、交際費、交通費、消耗品費、通信費など。

慣習的に「かくあるべし」という勘定科目体系はあるものの、絶対的な決まり事というものでもない。

自らの自由な発想に基づき、自分にとってわかりやすく、意味のある勘定科目名称を作成・利用することが、帳簿づけをより有意義なものに変えるであろうことが推察される。

ただし、自由を凌駕するあまり、ユニークに過ぎる勘定科目は税務署の関心(あるいは歓心)を買いかねない。

よって、普段は独自の勘定科目でも、税務申告書上は慣習的な勘定科目に置き換えるという思慮深さが肝要である。

 

《用語⑦》しょ-とく【所得】

「収入-費用=利益」における「利益」のことを示す税金専門用語。正確には、「収入-必要経費=所得」と表現される。

つまり、事業における売上という収入から、その収入得るために必要な経費(後述)を差し引いたものが「所得」である。

所得は収入の形態に応じて10種類あり、個人事業主がその事業の収入から得た所得は「事業所得」と言う。ちなみに、サラリーマンが給与収入から得た所得は「給与所得」と言う。

なお、税金を誤りなく計算するために、収入や経費を異なる所得間でゴチャ混ぜにしないよう注意すること。たとえば、事業所得の計算に給与収入を混ぜる、など。

 

《用語⑧》けい-ひ【経費】

収入を得るためにかかる必要な費用のこと。税金計算上は、経費が多ければ多いほど税金が安くなることから、「できるだけ経費にしたい」というのが人情である。

ただし、収入を得るためとは言い難い、家族での食事代などプライベートな費用は経費とは言えず。

このような私的費用との明確な区別として、収入を得るためにかかる必要な費用のことを、税金用語で「必要経費」と表現する。単なる「経費」とは言葉の重みが違うことに注意されたし。

ところで、ある支払いを必要経費にすることを「経費で落とす」と言い。経費で落とせる立場にあることは、社会的ステータスがあるものと世間一般一様に解されている。

しかし、ステータスの見栄に駆られて必要経費の範囲を拡大解釈すれば。それは脱税のそしりを免れないのであるから、ゆめゆめ留意するよう求められるところである。

 

《用語⑨》しょとく-こうじょ【所得控除】

所得の金額から、税法が定める一定の金額を控除すること。経費と同様に、控除も多ければ多いほど税金は安くなる。

経費は「収入から引く」のに対し、所得控除は「所得(=収入-経費)から引く」という点で異なる。

なお、所得控除には14種類あり、メジャーどころとしては「配偶者控除」「扶養控除」「生命保険料控除」「医療費控除」「寄付金控除(ふるさと納税)」などが挙げられる。

ほかにも、障がい者に関する控除、寡婦・寡夫(配偶者と死別など)に関する控除など、他人からは触れづらいセンシティブ(機微)な要素があることから。

税務署や税理士に税金相談をする際には、本人自らが積極的に情報開示することが大切であることに注意を要する。

 

《用語⑩》しさん-ひょう【試算表】

仕訳などの帳簿づけにより、勘定科目ごとに金額を集計した一覧表。事業の利益や、財産の状態を把握することができる。

これについて、確定申告の際に1年間の総まとめで作成するものを「決算書」と呼び、年の途中経過としてつど作成するものを「試算表」と呼ぶ。

年の途中、どのタイミングで試算表を作成すべきかは議論が分かれるところであるが、「毎月」というのが専門家による有力な意見とされている。

この「毎月」作成する試算表は「月次試算表(げつじしさんひょう)」と呼ばれ、その作成にあたることを「月次決算」と呼ぶ。

ここで言う月次試算表は法的な作成義務がないことから、「そんなメンドーやってられるか」という大多数の個人事業主により、「月次決算」は浸透・定着が非常に難しい状況にある。

 

まとめ

フリーランスのためのオモシロくてタメになる経理・税金用語についてお話をしてきました。

会話のなかや、書籍や雑誌などのなかにもでてくる用語ばかりです。

そのときに「あぁ、たしかこういうモノだったよな」と、大まかにでも知っていれば役に立つものです。

これを機会に、他の用語についても少しづつ身につけていきましょう。

 

 

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  きょうの執筆後記
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